パワハラと教育的な指導の境界線はどこにある?判断基準を解説!

労働問題

経営者としては従業員を教育・指導しているつもりでも、従業員からは「パワハラ」と受け止められることがあります。突然「パワハラ」などと言われて訴えられてしまったら大変ですが、「パワハラ」と「指導」は、どういった基準で分けることができるのでしょうか?今回は、パワハラと教育的な指導の境界線と、パワハラと言われないための対処方法について、解説します。

指導がパワハラになる?

みなさまは、従業員がミスをしたとき、どのような対応をしているでしょうか?

たとえば、必要な報告や連絡をしなかったときや、勝手に自己判断で動いてお店に迷惑をかけたとき、お客様に失礼な態度をとったときなど、いろいろと指導をする場合があります。

こんなとき、雇用者としては、教育的な指導をしているつもりでも、従業員側としては「パワハラ」と受け止められることがあるので、要注意です。

たとえば、従業員が2度同じ失敗をしたときに「何度同じ失敗をしたら気が済むんだ!お前は本当にどうしようもないやつだな!このままだったら、辞めてもらうしかなくなるぞ!本気で改善しろ!」などと言って大声で怒鳴りつけると、それだけで「パワハラ」と評価されるおそれがあります。

雇用者にとっては「えっ、なんで?」と言いたくなるかもしれません。だからこそ、パワハラと教育的指導の境界線を押さえておく必要があるのです。

パワハラになる基準は?

それでは、教育的な指導は、一切許されないのでしょうか?もちろん、そんなはずはありません。そこで、具体的にどのようなケースがパワハラになるのか、確認しましょう。

厚生労働省は、パワハラについて、以下の6つの類型があるとしています。

□ 身体的な攻撃。たとえば、暴行や傷害

□ 精神的な攻撃。たとえば、脅迫、暴言、名誉毀損や侮辱

□ 人間的な切り離し。たとえば、仲間はずれにしたり無視したりする

□ 過大な業務の押しつけ。たとえば、明らかに不要な業務や不可能な業務を強制すること、仕事を妨害すること

□ 過小な業務を与える。たとえば、合理性もないのに、能力や経験に対応しない、低レベルな仕事を命じる、あるいは仕事を与えないこと

□  個の侵害行為。たとえば、私的な事情に過度に立ち入ること

「教育的指導」と言っても、それが暴言や侮辱であったり身体的な暴行をともなっていると、パワハラになる可能性が十分にあるということです。

指導とパワハラの境界線は?

それでは、教育的な指導とパワハラの境界線は、どこなのでしょうか?判断基準を考えてみましょう。

たとえば、業務とは無関係な部分で相手の人格を否定することです。「お前は暗いからダメだ」「最低なやつ」「だから、高卒は嫌なんだ」などと言うと、パワハラになる可能性があります。

「これ以上改善しないならクビ」「ここは、お前に向いていない」「転職先を探しておけよ」など、雇用についての不安を与える言動も、問題です。

必要以上にミスをしつこく追及したり、その従業員を狙い撃ちして残業を強要したり、「ミスをされると迷惑」と思って仕事を全く与えないことなども、パワハラになってしまいます。

指導をするときには、こうしたことにも十分注意しましょう。

もしパワハラと言われてしまったら、どうしたらいいの?

どんなに注意していても、従業員が「パワハラ」と感じたら、訴えられてしまうおそれがあります。そんなときには、弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士であれば、その指導が、本当にパワハラに該当するのかどうかを適切に判断してくれますし、従業員との間でやり取りをして、トラブルが拡大することを防いでくれます。

自分一人で対応していると、問題がこじれて裁判などをされてしまう可能性もありますし、お店の評判も落ちるので、大変な損失となります。

パワハラ問題で困ったときには、弁護士を頼りましょう。

パワハラと言われないよう、迷ったら弁護士に相談を!

今回は、パワハラと教育的指導の境界線について、説明をしました。

雇用者としては指導のつもりでも、従業員側はそう受け止めてくれないことがあります。

トラブルが起こりそうな場合には、早めに弁護士に相談をして、解決しましょう。

プロへ一括相談・見積もり依頼ができます!

カンタン・便利な「まとめて相談(無料)」

全国選りすぐりのプロが5000人在籍。フォームに入力して送信するだけで、実績あるプロたちから様々な回答・提案が届きます。比較検討して依頼先を選ぶことができるので、より良いプロが簡単に見つかります。

無料で一括相談・見積りする

ニューストピックスについて

\SNSでシェアしよう!/

プロのコメント

市川直人 社会保険労務士
  • 千の葉社労士合同事務所
  • 市川直人社会保険労務士

パワハラ等のハラスメント事例は、明確な判断基準がないため、普段から個々人が気を付けておく必要があるだけでなく、会社として対策を考えなければなりません。 例えば、就業規則にパワハラ等の相談窓口を設置する旨を明記し、窓口担当者を置く。パワハラ等に関する処分方法を定める。少なくとも、年1回はパワハラ等の研修を行う等。 まずは、トラブルが起こらないように環境を整えていくことも大事だと思います。

熊谷知直 社会保険労務士
  • 熊谷綜合労務事務所
  • 熊谷知直社会保険労務士

パワハラと指導の線引きは確かに難しいと言われ、ナーバスになる風潮もありますが、パワハラと言われることを恐れて悪いことをしてるのに注意を控えていては余計にその社員が気の毒です。成長出来るチャンスを奪われるからです。上司と部下の心が通じていれば、きつく叱ってもパワハラとは感じないはずです。 パワハラになるかどうかの前に、その社員のことを自分の家族だと考えてみると良いです。 自分の子供が悪いことをしたら注意しますよね? 叱りますよね? でも人格否定するような言葉までは出てきませんよね。自分の子供に「最低なやつ」「だから高卒は嫌なんだ」なんて言わないと思います。本当にその子が成長して欲しいと願っていれば、成長させるような叱り方はしても人格否定発言は出てこないはずです。「自分のことをちゃんと考えて叱ってくれてるんだ」という「情」が伝われば、その社員も受け入れてくれます。 経営者が部下を信頼してあげるのがまず先です(経営者が部下を信頼してないのに、部下から先に信頼してくることはありません)。縁があって自分の所に来てくれた社員を家族だと考え、その子の「10年後」のために叱ってあげてもらえればと思います。

齋藤充弘 社会保険労務士
  • 社労士 人事法務オフィス
  • 齋藤充弘社会保険労務士

就業規則(社内規定)を細かく作りこんで、労働者側にも問題がある場合、つまり実際はパワハラではないのに、そのように言われた場合に備えましょう。

コメントする

この記事の監修者

【20年以上の豊富な経験と知識! そのお悩みに充実のサービスとサポートを】 弁護士もサービス業の1つと考え、 当たり前のことではありますが、ご依頼者様に簡潔にわかりや...