パートやアルバイトでも雇用保険への加入は必要か?

社会保険手続
労働問題
労災保険・雇用保険

これから事業を拡大していこうという個人事業主であれば、雇用保険への加入ルールも把握しておく必要があります。従業員はパートやアルバイトだけである場合も勤務実態によっては加入が必要なるケースがあります。雇用保険の加入ルールについて解説していきます。

従業員を雇用する場合は強制加入

個人事業主が初めて人を雇用した場合に、必要な手続きが雇用保険への加入です。社会保険の場合、個人事業主で常時5人以上雇用する場合に加入する必要があります。しかし、雇用保険の場合は、従業員を1人でも雇用すると加入しなければなりません。もし、労働者が希望しなかったとしても加入をする義務があるのです。

社会保険は、協会けんぽや各業界の組合、年金事務所が管轄となっています。一方で、雇用保険は同じ保険という名称がついているものの、管轄が違っており所轄のハローワークでの手続きが必要となります。そのため、本来あってはならないことですが、個人事業主にとっては見落としがちな手続きとなることが多いです。従業員のための保険となりますので、必ず加入手続きを行うようにしましょう。

パートやアルバイトでも加入が必要なのか

個人事業主の中でも特に勘違いしやすいのが、雇用形態がアルバイトやパートタイムの従業員です。学生アルバイトのような超短時間勤務の場合は、もちろん雇用保険の加入は必要ありません。ただ、アルバイトやパートタイムであっても、勤務形態によっては雇用保険への加入が必要です。雇用している従業員が次の要件にすべて当てはまるかを確認しましょう。

・週の所定労働時間が20時間以上となっている。

・1カ月(31日)を越えて継続して雇用されることが見込める。

たとえば、従業員の1日の勤務時間が4時間であっても週5日勤務する契約になっていると1週間の労働時間が20時間以上となり条件に当てはまるようになります。また、契約書に具体的な期間を記載していない場合、31日以上勤務すると見なされますので注意しましょう。さらに、短期間であっても契約更新に関する規定がされている場合は、条件に当てはまるようになります。そのため、ギリギリの契約になる場合は、この条件に当てはまらないような契約をする必要があります。

雇用保険の経営者、労働者のメリットとは

雇用保険は、保険料が必要となります。個人負担と会社負担がありますので、雇用保険に加入することで得ることができるメリットについてご紹介します。

まず、従業員のメリットとしては、将来的に失業保険をもらうことができるようになります。最低限の受給要件を満たさなければなりませんが、離職後一定の待機日数を経ることで失業保険を受け取ることができます。

一方で、雇用者側にメリットがないと思っている個人事業主も少なくありません。採用が優位に働くようなメリットはありませんが、国が行っているさまざまな助成金や給付金を受けることができるようになります。たとえば、高齢者を雇用した場合の特定求職者雇用開発助成金や障碍者トライアル雇用奨励金、そしてそのほかにも未経験者を雇用することで受けることができる助成金などがあります。

雇用保険料はいくらくらいになるのか

雇用保険料は、国が定めている雇用保険料率によって決定されます。平成29年度については、平成28年度に比べると保険料率が引き下げられており、一般の事業においては、9/1,000となっています(平成28年度は11/1,000)。そのうち、従業員が負担する保険料率は3/1,000であり、事業主側が負担するのは6/1,000です。従業員に比べると、事業主の負担が大きくなっています。

雇用保険料は、この保険料率を毎月の給与の総支給額にかけ合わせて計算をします。たとえば、1カ月の総支給額が150,000円の従業員の場合、雇用保険料は次のようになります。

150,000円×9÷1,000=1,350円

このうち、事業主負担の費用は900円と非常に低い金額になりますので、あまり不安に思うことはないでしょう。

雇用保険に加入しない場合の罰則

あってよい事ではありませんが、雇用保険に未加入の状態で従業員を雇用して、事業を運営している個人事業主も存在しています。雇用保険に加入していないと、従業員が退職後に失業給付を受けることができなくなるだけではなく、個人事業主が罰則などのペナルティを受けてしまう可能性もあります。

罰則に関する条文は、雇用保険法の第83条第1項に明記されています。違反をしてしまった場合は、6か月以下の懲役、もしくは30万円以下の罰金を科せられるとされていますので注意しましょう。

雇用保険未加入が発覚するのは、単純にハローワークの調査によって発覚するだけではなく、労災の発生や従業員からの通報によって発覚することもあります。

労働条件を確認して雇用保険加入を忘れずに

正規雇用を行った場合、継続で20時間以上働くアルバイトやパートを雇用した際には1人であっても雇用保険に加入する義務が発生します。未加入の違反を起こしてしまった場合、法律により罰せられることがあります。従業員の労働条件をしっかり確認して雇用保険に加入するようにしましょう。もし、わからないことがある場合は専門家である社労士に相談をするとよいでしょう。

ニューストピックスについて

\SNSでシェアしよう!/

この記事の監修者

前田 悦雄(まえだ えつお)と申します。 人事労務に長年携わり就業規則の改善・作成業務を中心とし、給与計算などにも注力しています。 人生の半分近くを人事の現場に従事してきた...

プロのコメント

まだコメントがありません。

経営者・オーナーの方へ

経営のお悩みを無料で専門家に一括相談!

  • 5000人の士業から条件にあった士業を自動選択!
  • 一括見積りで費用と対応を比較可能!
  • まとめて依頼できるから、あなたのお悩みをスピーディに解決!
無料で一括相談・見積りする

士業の方へ

記事にコメントを入れてアピールしませんか?

  • サイト内各所投稿数ランキングに、貴事務所が表示されるようになります。
  • 自分のページの情報量も増えて、より上位に表示されるようになります。
※プロ会員登録がまだの方は無料でご登録可能です。
コメントする