孫にも贈与税がかかる!?かわいい孫への生前贈与で節税対策

節税対策
相続
遺言・遺産相続

子供や孫など、未成年者へ財産を贈与すると、税金は誰が払うのでしょうか?未成年者はお金に対する判断能力が不十分なため、親権者の管理が必要となります。しかし、未成年者でも、贈与税の申告を行う必要があるのを忘れてはなりません。あわせて、有効な節税対策としての教育資金一括贈与制度の利用方法もご紹介します。

孫が未成年でも贈与税はかかるのか?

子供や孫へ財産を贈りたい。未成年者への贈与なら、贈与税の申告は必要ない、と勘違いされるケースが多々あります。たとえ未成年者であっても、1年間に贈与された金額が110万円の非課税枠を超えた場合は、贈与税の申告と納税が必要になります。

年間の非課税枠「110万円」を超えたら贈与税の申告が必要

申告者が成人の場合は、本人が贈与税申告を行います。ただし、未成年の場合は親権者が代理人となり、贈与税の申告を行います。親権者が子の財産を管理する権利義務を持ち、通常は父親か母親が親権者となります。申告書の作成は親権者が行うことができます。贈与税の納付は、贈与を受けた本人が行うため、未成年者の名義である銀行口座が必要になります。

贈与税申告の期間は贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日で、受贈者の居住地を管轄する税務署に申告書を提出します。

贈与税の税率

贈与税の対象になるのは、その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与された財産の価額の合計になります。1回当たりの贈与ではなく、その年の贈与すべてが対象になるので注意しましょう。贈与税の基礎控除額は【110万円】なので、贈与された財産の合計額から差し引きます。さらに残りの金額に、以下の税率を乗じて計算します。

贈与税の速算表(一般贈与財産)
基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10% -
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,500万円以下 45% 175万円
3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円
"
"

孫が未成年なら「贈与契約書」があったほうが安心

贈与する相手が未成年だった場合、本人にもらう意思があったかどうかを証明できません。そのため、相続が発生したときに税務署に「名義預金」とみなされ、相続税が発生する恐れもあります。

贈与は、「あげます」「もらいます」という意思表示があってはじめて成り立ちます。そのため、贈与契約書があったほうが安心といえます。「贈与契約書」とは贈与の事実を証明する契約書類のことをいい、「贈与時期」「贈与者名・受贈者名」「贈与対象」「贈与条件」「贈与方法」などを記載します。未成年者が幼い場合は、法定代理人の同意があれば契約できます。

贈与は振込で行うこと

贈与と認められるためには、振込みよって贈与を実行し、さらに贈与された財産を自由に使えるという要件を満たす必要があります。

例えば父親が孫の通帳と印鑑を管理している場合、孫は贈与されたお金をおろせないため、税務署に否認されてしまいます。しかし、贈与税の申告が必要なほどの金額を受け取ったとなると、親権者の管理は必要になるはずです。生命保険に加入する、などの対策を検討しましょう。

無税で孫に贈与できる「教育資金一括贈与制度」

生前贈与の方法として、「教育資金一括贈与制度」を利用する方法があります。教育資金贈与とは、30歳未満の子や孫に教育資金に充ててもらう目的で1,500万円以下のお金を一括贈与することです。

この場合、一定の条件を満たせば、贈与税が非課税となります。子や孫が30歳未満であれば、生後間もない場合でも可能なので、幅広く未成年者に適用できる制度となっています。なお、この制度は平成31年3月31日までに贈与を行えば適用されます。

教育資金一括贈与制度のメリット

・使った分については税金の負担がない

・被相続人の死亡後に必要になる分のお金まで贈与することができ、贈与税が非課税になる

・暦年贈与とは別に贈与税が減らせる

・被相続人の死亡する前3年以内に贈与した場合でも相続税がかからない

教育資金一括贈与制度の注意点

ただし、贈与したお金について、信託銀行等との間で教育資金管理契約を結ぶことが必要となります。また、学校等の正規の教育機関のための費用は、1,500万円の枠まで使ってよいことになっており、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、専門学校等、一切の学校が含まれます。また、学費以外にも教材費、文具費用、通学のための交通費、修学旅行参加費なども対象になります。

孫に110万円ずつ贈与すれば節税対策できる?

贈与税は相続税よりも、圧倒的に税率が高いです。そのため、一度に財産を贈与してしまうと、かえって贈与税の負担をかけてしまうことになります。

税金面での心配を減らすには、毎年110万円ずつ贈与するという方法があります。110万円までの贈与は非課税となるため、申告の必要もありません。

ただし、もともと2,000万円の贈与をするつもりで、分割して贈与を行っていたとみなされることがあります。これを「定期贈与」といい、2,000万円に対して贈与税がかかってしまうことになります。

贈与には「あげます」「もらいます」の意思表示が必要

似たような事例として、子供や孫に内緒で口座を作り、そこに毎年110万円を振り込んでいた場合も贈与は成立しません。前述のとおり、「あげます」「もらいます」の意思表示がない限り贈与とはみなされないため、預金額に対して贈与税が発生します。

節税対策をするならば、「毎年、贈与の金額や振り込みの時期を変える」、前述の「贈与契約書を作成する」等の対策が必要になります。より効果的に生贈与を行うには、専門家である税理士の助けを借りるようにしましょう。

孫へ生前贈与するときに気を付けること

未成年者への贈与は、贈与の実態を示すために贈与契約書を作成し、必要であれば、親権者が贈与税の申告を行わなければなりません。また、贈与者は受贈者に資金を有効に利用してもらうためには、教育資金一括贈与制度の適用を検討してもよいでしょう。大切な財産を子供や孫へ残すためには、税の知識は必要不可欠です。効果的に生前贈与を行うためにも、専門家である税理士に相談しながら進めるようにしましょう。

プロへ一括相談・見積もり依頼ができます!

カンタン・便利な「まとめて相談(無料)」

全国選りすぐりのプロが5000人在籍。フォームに入力して送信するだけで、実績あるプロたちから様々な回答・提案が届きます。比較検討して依頼先を選ぶことができるので、より良いプロが簡単に見つかります。

無料で一括相談・見積りする

ニューストピックスについて

\SNSでシェアしよう!/

プロのコメント

辻本弘仁 税理士

贈与は誰にでもできます。また、贈与契約書は必須です。 ただし、贈与契約書があればすべて贈与が成立するわけではありませんが、、、 また、未成年者への贈与には贈与契約書に加えて、その贈与契約書に親権者の自署押印が必ず必要です。 それがなければ、贈与が成立しないこともあります。 未成年者の法的行為は親権者の同意がなければ取り消すことができるからです。 教育資金の一括贈与については、一括で贈与ができますが、学校を卒業後に残っているお金があれば、その金額については贈与税が課せられます。 したがって、計画的にしないと本来ならかからない贈与税が課せられることとなります。 もともと、その都度教育資金の贈与は非課税です。 その規定とあわせて検討しないといけません。 その際には専門家である税理士と相談されることをお勧めいたします。

染木満則 税理士
  • 染木満則税理士事務所
  • 染木満則税理士

未成年の方への贈与について相談される方がよくいらっしゃいます。 自分の孫や子にいくらかずつでも渡してやりたいが、こづかいだと思って好き勝手に使われるのも困るのだけど とおっしゃることもあります。そういったことになる前に贈られる方にしっかり話を聞いてもらい、 「なんのためにあなたに贈与するのか」 ということをよくよく理解していただいて実際の贈与をされるのがよいと思います。 大切なものは贈られたものだけでなく、その気持ちがきちんと相手に伝えられ、理解されることではないでしょうか。

前川勝彦 税理士
  • 前川勝彦税理士事務所
  • 前川勝彦税理士

 あけましておめでとうございます。  急に昨年の九月頃から相続の公正証書の作成から相続時の予定税額の計算依頼や、胃がん末期、すい臓がん末期の方からの依頼が相次ぎコメントもなかなかできずにおりました。  贈与については、各先生方のご意見やお考えにより、その手法や申告し税金を支払うのかなど多種多様な方法や見解があるかと思います。  私の場合はまず、最初に贈与できる金融資産がどれだけあるかの確認からです。それから、相続関係を確認し、ケースバイケースですが、想定される第一次相続から順に第三次相続くらいまでを試算いたします。その結果、税法的にはこれ位の誰への生前贈与をするのが、一番税金面で有利かの提案をいたします。  贈与についての極論を言えば、贈与証書も振り込む必要もありません。  仕事をされている相続人等への贈与であれば、手数料のかからない振替で十分です。ただし、給料等の入金口座等へ振替することにより、借名口座でない立証は容易にできます。そして、通帳には「父から贈与分」と鉛筆かボールペンで書き、確実に保存しておけば、それで事足ります。(税務署等への説明は容易にできます。)  きっちりと贈与証書を作成しておくのであれば、自書・押印がベストです。  もらう方が未成年の場合には、はっきりと伝え、口座開設もご自身で行える年齢なら行ってもらい、印鑑も自分専用のものを使用していただき、その保管・運用等については、親御さんに行ってもらい、通帳には毎年贈与を行っているのであれば、その旨の記載をきっちりと残しておくことです。そして口数が増えてきて併せる場合には、過去からの通帳も必ず保管しておきます。これは、銀行の取引履歴を照会できるのが、10年間と決められているため、その成り立ちを明らかにするためです。  相続税の調査で、金融資産のうち修正申告の対象となる約8割は、家族名義預金で借名預金(名前を借りていると判断されたもの)と判断されたものです。これに対抗できるだけの証拠資料をきっちりと残しておくことが、一番大切だと思います。

杉島公典 税理士
  • 杉島公典税理士事務所(杉島希泰司法書士事務所併設)
  • 杉島公典税理士

相続税申告後の税務調査では名義預金は格好のターゲットとなります、生前贈与には注意が必要です。 また、相続税対策も重要ですがそれ以上に大切なのが争続対策(遺産争い)だと思います。この二つをきちんと整理しながら対策することが肝要です。 来年から自書遺言制度も改正されます活用するのもよいかと考えます。

富樫修一 税理士
  • アイアンドエス税理士法人 土浦事務所
  • 富樫修一税理士

贈与税の年間非課税枠110万円以内の生前贈与を利用して方は多いと思いますが、専門家のアドバイスにより、きちんとした手続きを踏まないと、将来、贈与者の名義預金として相続税が課税される場合がありますので、注意が必要です。

コメントする

この記事の監修者

【中小企業から宗教法人、スポーツ選手まで 海外進出のサポートも充実!】 みなさんこんにちは。代表の今野真輔(こんの しんすけ)です。 税理士として開業したきっかけは、税...