配偶者控除と配偶者特別控除の違いとは?2018年の控除の要点を確認

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結婚して家庭を持つと出費も増えますが、配偶者がいることで「配偶者控除」という所得控除を受けることができます。年末調整や確定申告時の際に耳にすることが多いと思いますが、適用するためには収入額などの要件をクリアしなければなりません。配偶者控除の適用要件や、配偶者控除と配偶者特別控除との違い、2018年度改正のポイントについて解説します。

配偶者控除とは

「配偶者控除」は税金を納める人に配偶者がいる場合、一定の金額を所得から引いて税金を計算することができる所得控除制度です。控除できる額は配偶者の年齢によって定められています。控除対象配偶者が70歳未満の場合は38万円、70歳以上の場合は老人控除対象配偶者となり、48万円を所得から控除できます。

配偶者控除の適用には、次の4つの要件に当てはまる必要があります。

民法の規定による配偶者であること

内縁関係にあるだけの場合は配偶者控除の適用を受けることができません。

税金を納める人と生計を一にしていること

親族が同じ家に住んでいる場合には、明らかにお互いに独立している場合を除いて、生計を一にしているとされます。

配偶者の年間の合計所得が38万円以下であること

給与収入の場合は給与所得控除の65万円を考慮するので、給与収入ベースでの金額が103万円以下で適用を受けることができます。

白色申告者の事業専従者でない、青色申告者の事業専従者として給与の支払いを受けていないこと

事業専従者とは、生計を一にする配偶者や15歳以上の親族で、納税者の事業に従事している人を指しています。白色申告の場合は「事業専従者控除」が受けられます。青色申告の場合は、事業専従者給与を経費として計上できます。

配偶者特別控除とは?配偶者控除との違い

「配偶者控除」と似たものに、「配偶者特別控除」というものもあります。配偶者に所得があり配偶者控除が適用できないときでも、配偶者の所得金額によって段階的に所得控除を受けることができる制度です。

配偶者特別控除が適用される年間の合計所得の金額の要件は、38万円超123万円以下です(2018年度以降)。給与収入から給与所得控除の65万円を引いた金額が合計所得金額になります。所得から控除できる金額は、配偶者の年間の合計所得の金額によって、38万円から1万円となっています。

配偶者特別控除が適用される要件は配偶者控除の場合とほとんど同じですが、他の人の扶養親族になっていないことと、年間の合計所得の金額が異なっています。

配偶者特別控除の控除額

具体的な控除額は以下の通りです。

【配偶者特別控除の控除額】
  控除を受ける納税者本人の合計所得金額
900万円以下 900万円超
950万円以下
950万円超
1,000万円以下









38万円超 85万円以下 38万円 26万円 13万円
85万円超 90万円以下 36万円 24万円 12万円
90万円超 95万円以下 31万円 21万円 11万円
95万円超 100万円以下 26万円 18万円 9万円
100万円超 105万円以下 21万円 14万円 7万円
105万円超 110万円以下 16万円 11万円 6万円
110万円超 115万円以下 11万円 8万円 4万円
115万円超 120万円以下 6万円 4万円 2万円
120万円超 123万円以下 3万円 2万円 1万円

配偶者控除・配偶者特別控除を適用するための手続き

配偶者控除や配偶者特別控除を適用するための手続きは、税金を納める人が会社勤めで年末調整をするか、個人事業をしているなどの理由で確定申告をするかによって変わります。

勤務先で年末調整する場合

年末調整で所得税を確定する場合、配偶者控除を受けるには、会社に提出する「扶養控除等申告書」の配偶者の欄に、配偶者の氏名などを記載します。

配偶者特別控除を受けるためには、会社に提出する「保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書」に必要な事項を記載します。配偶者特別控除を受けるときに配偶者の給与収入がいくらかを確認する必要がありますので、配偶者が勤務している会社から源泉徴収票の交付をしてもらうようにしましょう。

確定申告の場合

確定申告で所得税を確定する場合には、確定申告書の「所得から差し引かれる金額」の箇所に、「配偶者(特別)控除」を記載する欄がありますので、控除金額を記載します。

2018年度の配偶者控除・配偶者特別控除改正のポイント

2018年度からは、収入の調整を意識せずに働けるように、配偶者控除・配偶者特別控除が見直されました。大きく変わったのは、給与所得者の合計所得金額の上限と、配偶者の年収の上限が引き上げられたことです。

合計所得金額の上限は1,000万円

新たに給与所得者の所得要件が追加され、1,000万円を超える場合には配偶者控除の適用を受けることができなくなりました。控除額も給与所得者の合計所得金額によって変化します。

配偶者の年収の上限

所得控除額38万円の対象となる配偶者の年収の上限が103万円から150万円に引き上げられました。また、配偶者特別控除も拡大され、配偶者の年収が150万円を超えても、約201万円までは段階的に配偶者特別控除が適用されます。

配偶者控除の注意点

配偶者控除や配偶者特別控除の制度は、所得金額から一定の金額を控除できる制度です。所得金額を減らすことで、所得税額を減額できるということになります。

最大控除金額である38万円を控除するためには、給与収入ベースでの金額が150万円以下であることが必要です。これは税務上の制度であって、社会保険料の扶養の場合は給与収入が130万円未満となります。給与収入が130万円以上の場合には、配偶者の給与が150万円以下で38万円の配偶者控除を受けられたとしても、社会保険の被扶養者の要件を満たせなくなってしまいます。

どのような働き方がいいのか、家族でしっかりと話し合うことも大切です。

配偶者控除・配偶者特別控除のポイント

配偶者控除や配偶者特別控除を受けるためには、まずは配偶者の収入について確認をするようにしましょう。税法は改正が多い法律なので、年末調整や確定申告の際に不安がある場合は専門家である税理士に確認をしてもらうとよいでしょう。従業員を雇っていて年末調整をしなければならない場合にも、税理士に依頼することもできます。

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プロのコメント

辻本弘仁 税理士

今年の配偶者に対する控除について、改正があったのは配偶者特別控除についてです。 配偶者控除は、改正なしです。 配偶者特別控除を受けることができるとしても、それは控除を受ける方の所得税の優遇税制であって、扶養に入る方については所得税住民税・社会保険については従来通りです。 つまり、給料収入で103万円を超えると所得税を納めることになりますし、住民税は各市町村により違いはありますが( 市区町村により93万、97万、100万)を超えると住民税がかかります。 また、130万円を超えると社会保険への加入義務もあります。(従業員500人以上の企業なら別の基準あり) ですので、扶養に入れる(税金が安くなる)のと税金等が課税されないというのは今後は意味合いがことなることがありますので、十分にご留意ください。

染木満則 税理士
  • 染木満則税理士事務所
  • 染木満則税理士

2018年からの配偶者控除については、なかなか複雑な仕組みのようで、手間に感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。  従来と違って、妻が103万円の収入であっても受けられないことがあるという点で、いつもと年末調整の終わった後の税額が違っていると思われる方がいらっしゃるかもしれません。 経営者の方に限らず、こうした税制の変更は多くの皆さんに影響がありますので、そういう時には専門家にご相談いただくのが良いですね。

出間忠公 税理士

平成30年度分の年末調整から配偶者控除額と配偶者特別控除額について各々改正が入りました。夫側の所得と妻側の所得についての確認が必要となりますので慣れるまでは複雑に感じるかも知れません。また、たとえ妻の給与収入が103万円以下であったとしても配偶者控除が受けられない場合がありますので戸惑う方もいるのではないでしょうか。そんな時には、税理士に確認をすることでミスを回避することが賢明ですね。

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この記事の監修者

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