2018年の年末調整は計画的に!覚えておきたい手続き方法と流れ

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従業員を雇っている場合、年末には「年末調整」という大きな業務が待っています。年末調整は、「年末」という言葉がついていますが、年末からはじめたのでは間にあいません。ただでさえ忙しい時期に手続きをスムーズに行うには、事前に年末調整の手続き方法と流れを頭に入れておいて計画的に進めることが大切です。どのようなスケジュールでどのような書類を用意し、いつまでに提出をすればよいのか、2018年の年末調整についてわかりやすく解説します。

年末調整の目的

年末調整の目的は、従業員の1年間の所得税を正しく計算し、「月々の給料から源泉徴収している所得税」と「1年間の収入などに基づいて計算された所得税」との差額を調整することです。

毎月源泉徴収している所得税は、生命保険料控除や地震保険料控除などの各種控除を考慮していない金額です。また、賞与が多かった、扶養家族の人数が変わったという場合にも、源泉徴収している金額の合計額と1年間の所得税の金額に差額がでてきます。

この差額は、12月分の給料の支払い時に調整することになります。源泉徴収した金額より1年間の所得税の金額のほうが少なければ、その差額を従業員に還付します。源泉徴収した金額より1年間の所得税の金額のほうが多ければ、その差額を従業員から徴収することになります。

年末調整の対象となる人

年末調整の対象者になるのは、「年末」に在籍している人になります。正社員だけでなく、契約社員やパート、アルバイトなども対象になります。

ただし、給与収入が2,000万円を超える人、副業の所得が20万円を超える人、2か所で給与を受けている人については、すべての収入について所得税を計算して調整することができません。そのため、年末調整を受けられない所得も併せて確定申告をする必要があります。

また、控除を受ける場合にも年末調整は必要になります。年末調整で計算される控除額は、以下の通り全部で13種類あります。

・基礎控除、給与所得控除

・扶養控除、配偶者控除、配偶者特別控除、寡婦(寡夫)控除、勤労学生控除、障害者控除

・社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除、小規模企業共済等掛金控除

・住宅借入金等特別控除

10月下旬から書類の準備開始

年末調整の準備は、年末に始めたのでは間に合いません。できるだけ早く計画的に準備を行うことが必要です。

年末調整の用紙は3種類

年末調整を行うためには、従業員に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」と「給与所得者の保険料控除申告書」、さらに「給与所得者の配偶者控除等申告書」の3種類の書類を提出してもらう必要があります。

これらの書類は、10月下旬に国税庁のホームページからダウンロードすることができるので、ダウンロードできるようになったら印刷して従業員に渡します。ダウンロードできる時期より少し遅れますが、税務署からこれらの書類が送られてきますので、税務署から送られてきた書類を従業員に渡してもよいでしょう。

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に訂正事項がないか確認する

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は翌年1年間にわたって扶養家族の移動などについて記入するものです。つまり、今回の年末調整としては、昨年末に従業員に渡して記入してもらった内容に訂正事項がないか確認する必要があります。

なお、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」には、マイナンバーの記載が必要です(会社に提出済みで帳簿が整備されていれば記載は不要)。マイナンバー記載の書類は特定個人情報となり厳重に管理しなければならないので取り扱いに気をつけましょう。

「給与所得者の保険料控除申告書」には控除証明書を添付

この時期に従業員の元には、生命保険や地震保険などの「控除証明書」が送られてくるため、この書類と一緒に提出してもらうようにします。控除証明書をなくしてしまう人が時々見られますが、そのようなときには保険会社などに依頼して再発行してもらうようにしましょう。

2018年からは「給与所得者の配偶者控除等申告書」の提出が必要

2017年の税制改正によって、「配偶者控除」「配偶者特別控除」の要件が変わりました。そのため、これまで「給与所得者の保険料控除申請書兼給与所得者の配偶者特別控除申請書」として提出していた書類から、「給与所得者の配偶者控除等申告書」が分離し、配偶者と本人の所得を記入する必要があります。

12月中旬までに年末調整計算と源泉徴収票作成

11月中旬までに書類を提出してもらおう

従業員から3種類の書類を受け取ったら、確認作業を行います。保険会社から送付される控除証明などの書類に不足がないか、扶養家族の状況や配偶者の収入金額などの必要な事項の記入もれがないかを確認をしなければならないので、書類の提出期限は早めに設定することをおすすめします。時期としては11月中旬を目安に書類の確認作業をするとよいでしょう。

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」については、翌年分も一緒に提出してもらって保管します。この書類は翌年中に扶養家族に異動があったときに、その都度訂正記入をして年末調整に備えます。

12月中旬までに年末調整の計算を

書類の提出を受けて確認作業が終わったら、年末調整計算を行います。年末調整では、1年間に支払った給与等の総額を計算し、給与所得控除額、所得控除額を差し引いて、所得税の課税対象額を算出します。住宅ローン控除がある場合は、その分も差し引きます。このようにして算出した所得税額と、年間の源泉所得税額比較して差額を算出します。

源泉徴収税額が所得税額よりも多い場合、差額を従業員に還付します。少ない場合は、追加で徴収します。この差額の調整は、12月分の給料支払い時に行います。年末調整の計算が終わったら、源泉徴収票などの書類を作成します。

翌年1月末までに税務署へ納税

翌年1月末までには、納税と行政機関へ書類を提出します。年末調整の作業は年末の忙しい時期に行わなければなりませんので大変です。本業に専念するためにも、専門家である税理士に依頼することも検討しましょう。

1月10日もしくは1月20日まで

所得税徴収高計算書を作成し、翌年1月10日、納期の特例の適用がある場合には1月20日までに、源泉徴収税を納付します。年末調整をした結果として源泉所得税の納付額がゼロであったとしても、所得税徴収高計算書を税務署に提出する必要があります。

1月末までに提出する書類

税務署へ「法定調書合計票」「支払調書」「源泉徴収票(源泉徴収票を提出する人には一定の要件があるので、全員ではありません)」を提出します。さらに、市区町村にへは「給与支払報告書」「総括表」を提出します。

計画的に年末調整を行うためのポイント

年末調整を行うには、計画的に準備をして手続きを進めていくことが大切です。準備は10月下旬から行うことができます。必要書類を従業員に配布したあとに提出を受ける時期は、11月中旬を目安にするとよいでしょう。翌年の1月10日か20日までに源泉所得税の納付をしなければならないので、遅くてもそれまでに年末調整が終わっている必要があります。また、1月末までには行政機関に各種書類を提出する必要があります。これらの業務は、専門家である税理士に依頼するとスムーズに行うことができます。

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プロのコメント

山栄大幸 社会保険労務士
  • 労働者派遣申請代行センター
  • 山栄大幸社会保険労務士

弥生給与で年末調整を行う場合は、年度を確認した後に、弥生給与のナビゲーターに従って、年末調整メニューをクリックして、年末調整ナビに従って扶養者情報や支払保険料等の申告データを入力すると、控除額や過不足税額が自動的に計算されます。 通常、給与計算を行なって、11月までの賃金台帳の更新を行った状態で、年末調整の手続きに入ります。 12月の給与計算を行なった賃金台帳まで更新してしまうと、翌年度の画面に切替わってしまいますので、注意が必要です。 弥生給与には、従業員への確認事項をその場でメモできるふせん機能も付いておりますので、記帳漏れがなく年末調整が行えます。 年末調整ナビから順番に操作を行なえば、申告書の画面が出て参りすので、アナログで行う場合と比較しても、決して違和感がございません。 税務署や市役所の市民税課に提出する給与支払報告書や源泉徴収票や総括表と言った帳票の印刷も簡単にできますし、従業員の扶養者情報を、給与計算を行なう従業員欄に登録しておけば、源泉徴収票の「摘要」欄に自動的に反映され、更には追加入力も可能です。 年末調整の手続きが終われば、新年度への更新を行いますが、当年度の年末調整の修正等を行う可能性も有りますので、バックアップファイルへの保存をお薦め致します。 最近は、AIの関係でクラウドの年末調整も、IT導入補助金や業務改善助成金の対象となっておりますので、生産性向上及び労働時間削減を考えている場合は、補助金や助成金を使って、導入を考えてみられるのも良いと思います。

辻本弘仁 税理士

今回の年末調整では大きな税制改正があり、経理担当者にとっては頭が痛いことでしょう。 まず顧問税理士さんにどういう改正なのか控除申告書の書き方を教わるのもひとつでしょう。 また、その前に準備が大切です。ぎりぎりになると間違いも多くなります。 作成する書類は前年と変わりませんが、計算方法が変わっています。 今回の改正・・・配偶者控除配偶者特別控除の金額の改正です。 本年の扶養控除等申告書に扶養対象配偶者を記載されてない方に、配偶者の収入金額の確認が必要です。 その他の改正はありません。 そのため、前年より慎重に配偶者の収入を確認しないといけなくなります。 分からないことがあれば、顧問税理士さんに確認することが大切です。

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この記事の監修者

【税理士は経営者の皆様にとって身近な相談役です】 最近はなんでもスマホに聞け!という時代ですが、事業を運営・経営される皆様はそれだけでは解決できないことも沢山あろうかと思います。...