個人事業税って何?治療院の確定申告のポイントまとめ

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個人事業主の場合、「個人事業税」という税金がかかる可能性があります。個人事業税とはどのような要件で発生するのか?今回は整骨院や接骨院などの「治療院」に注目して、個人事業税の計算対象となる所得の範囲や納税方法などについて詳しく解説します。

個人事業税とは?

個人事業主が納めるべき税金のひとつに「事業税」があります。事業税とは、住民税と同じ地方税で、自分が住んでいる都道府県に納付します。ちなみに所得税というのは、自分が受け取った所得に応じて国に納付する税金です。

「個人事業税」の対象となるのは、法律で定められた70の業種にのみ課税が行われます。そのため、個人事業税の対象とならない業種も存在します。あん摩・マッサージ・指圧・はり・きゅう・柔道整復その他の医業に類する事業、つまり「治療院」は、この70の業種に含まれているので、所得の金額によっては個人事業税の納付が義務付けられる可能性があります。

法人の場合には「法人事業税」があります。法人事業税は、法人すべてに課されます。

個人事業税が該当する要件

個人事業税が課税されるのは下記に示した要件をすべて満たした場合です。

・個人事業主である

・法定業種70種に含まれる

・所得額が290万円を超える

法定業種と税率

法定業種は第1種事業から第3種事業に分けられています。物品販売業や運送業をはじめとする第1種事業が37業種あります。そして、畜産業や水産業、薪炭製造業の3業種が第2種事業、治療院や弁護士業などをはじめとする第3種事業が30業種となります。これらの法定業種ごとに個人事業税率が定められており、都道府県ごとに異なっています。

治療院の個人事業税率は3%(東京都)

東京都の場合、あん摩・マッサージ・柔道整復などを営む治療院は第3種事業となり、個人事業税率は3%となります。所得金額から事業主控除290万円を差し引き、3%を乗じた金額を個人事業税として納付しなければなりません。営業期間が1年未満の場合は、事業主控除額は月割額となります。

治療院の場合は所得全額は該当しない

一般的な事業の場合、確定申告をした所得そのものを用いて個人事業税が計算されます。しかし、治療院の場合は、所得すべてが個人事業税の計算対象とはなりません。自費診療に罹った部分の所得のみが計算対象となりますので、他の個人事業と比べると個人事業税の対象となる可能性は低くなります。

自費診療というのは、健康保険の対象とならない施術を言います。そのため、もし施術のすべてが保険診療の場合、非課税となり個人事業税の所得対象とならず納税の義務が生じません。個人事業税の対象となっている可能性が高い場合は、都道府県税事務所から「社会保険診療報酬にかかる所得金額の明細書」というお尋ねが届きます。その際には、しっかりと保険診療と自費診療の内訳を明らかにして報告するようにしましょう。

個人事業税の計算方法とは

個人事業税は、簡単に説明すると「収入」から「必要経費」と「専従者給与」を差し引きした金額が、290万円以上であると課税の対象となります。ちなみに、この所得額は青色申告特別控除前の金額ですので、間違えないように注意しましょう。

個人事業税の計算例

ある治療院の収支が以下の場合を計算してみましょう。

・保険診療収入 400万円

・自費診療収入 800万円

・合計収入 1,200万円

・諸経費 400万円

・専従者給与 80万円

・青色申告特別控除 65万円

まず、全体の所得を計算します。

1,200(合計収入)-400(諸経費)-80(専従者給与)-290(事業税控除)=430万円

ただ、これには保険診療分が含まれるため、合計収入から諸経費を差し引いた800万円の収入を、自費診療収入と保険診療収入の比で按分します。

800(合計収入-諸経費)×400(保険診療収入)÷1,200(合計収入)=266万円

先ほどの430万円の所得から、266万円の非課税部分を控除すると164万円となります。この164万円の3%が税率となりますので、49,200円の事業税を納付しなければなりません。

個人事業税の申告および納税方法

個人事業税の確定申告をしたことなど一度もないとお思いになられるでしょう。実は個人事業税の確定申告は必要ありません。税務署へ所得税の確定申告をすることで、都道府県から該当する人に対して納税通知が送られてきます。

ただ、治療院の場合は自費診療と社会保険診療とが分けられますので、確定申告で内容がわからない場合は、「社会保険診療報酬にかかる所得金額の明細書」にて確認が行われます。この明細書を返送したうえで、個人事業税の対象となる場合は、個人事業税の納付書が届けられます。

個人事業税の納付期限は、8月と11月の年2回です。自費診療による収入が増えれば増えるほど、納税額も増加します。確定申告の時点で、先ほどの計算方法により必要な個人事業税額を計算して資金を準備しておくとよいでしょう。

計算しにくい場合は税理士に相談を

個人事業税は個人事業主全員が納付しなければならない物ではありません。特に治療院の場合は、自費診療にのみ課税されるので計算が若干ややこしいです。納付すべき個人事業税があるのか、計算が難しい場合は専門家である税理士に相談してみましょう。所得によっては「法人成り」のアドバイスも受けられるため、専門家の意見は必要です。そのような個人事業主の力になってくれる税理士はエキテンプロで見つかります。

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プロのコメント

辻本弘仁 税理士

個人事業主が支払う税金は、確定申告をしたことにより支払う所得税・その後に課税される住民税と事業税があります。 すべて確定申告書が基礎となります。 税率は所得税が5%から55%    住民税が10%    事業税が3%か5% それぞれ計算方法が若干違いますのでこの場合どうなるかというのは単純にお伝え出来ません。 したがって、心配なら税の専門家の税理士に相談されることをお勧めいたします。納税予測はできますので。

染木満則 税理士
  • 染木満則税理士事務所
  • 染木満則税理士

事業を行っているときに様々な税金が発生しますね。所得税は確定申告しないといけないというのはとてもよく知られていますが、事業税の場合、「とりあえず、なんだか知らないけど県のほうから来たから払っといた」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。 ウェブサイトで調べてみたけど、結局のところ、どうなの?という場合はお気軽に税理士にご相談ください。

門田睦美 税理士
  • 門田睦美税理士・社労士事務所
  • 門田睦美税理士

事業税は、住民背と同様に賦課課税となります。従って申告書の作成及び提出の必要はありません。住民税は費用になりませんが、事業税は固定資産税と同様費用になりますので、注意してください。

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この記事の監修者

【税理士は経営者の皆様にとって身近な相談役です】 最近はなんでもスマホに聞け!という時代ですが、事業を運営・経営される皆様はそれだけでは解決できないことも沢山あろうかと思います。...