マタハラとは?本当にあったマタハラの具体例と対策方法について

労働問題
社会保険手続
人事労務管理
健康保険・介護保険
労災保険・雇用保険
教育研修
就業規則
人事管理

近年、女性の社会進出が注目される一方で、増加しつつあるマタハラ問題をご存知でしょうか?そんなつもりが無くても、ちょっとした対応がマタハラと受け取られるかもしれません。マタハラになりやすい事案や、経営者が気をつけるべきポイントなどについて解説します。

マタハラっていったい何?

近年話題になっている「マタハラ」とは、「マタニティハラスメント」の略称です。働いている女性に対し、妊娠・出産や育児をすることをきっかけとして、職場内において精神的、そして肉体的な嫌がらせをすることをいいます。妊娠や出産を理由に解雇や雇止めを行ったり、実質的な降格をしたり、自主的に退職をするように促したりするなど、労働者にとって不当な扱いをすることも該当します。

マタハラはセクシャルハラスメントやパワーハラスメントと並び、近年働く女性を悩ませるハラスメントの一つと認識されています。厚生労働省が過去に調査した結果によると、働く正社員女性の5人に1人、そして派遣労働者の2人に1人がなんらかのマタハラ被害を受けたことがあるとされています。

マタハラは被害を受ける当人だけではなく流産や早産の原因に繋がることもあり、ほかのハラスメントに比べて深刻になりやすいと言えるでしょう。

産休・育休の制度を整備することがマタハラ対策に繋がる

政府が「働き方改革」を推進し、女性の社会進出の促進などの動きが大きくなるなか、今後も働く女性はさらに増加していくでしょう。また、少子高齢対策の観点からも、育児と仕事を両立できる環境を構築することが、企業には期待されていきます。

そのため、マタハラに対する企業の対応策もさらに重要性が増していくでしょう。例えば、産休・育休を取得する従業員の代替要員の確保やスムーズな職場復帰へのサポートが必要とされています。また、固定観念や個人の主観などがマタハラに繋がることもあるため、社内研修を行っていく必要もあります。

大きな企業であれば人員も豊富であるため、これらの対応に目を向けることができます。しかし、中小企業ではなかなか簡単なことではありません。なかには、これまでに産休や育休を取得した社員がいないという場合もあるでしょう。制度や情報に精通している社会保険労務士などと連携して環境を検討していく必要があります。

マタハラの事例

マタハラには、大きく分けて4つのタイプがあります。また、マタハラの加害者となるのは被害者の直接の上司だけでなく、組織そのものが加害者となるケースがあります。加害者は男性とは限らず、女性も加害者になりうることを十分に理解しておきましょう。

価値観を押し付けるタイプ

古い価値観を持っている人の場合、女性は家庭に入るほうが幸せだと思い込んで、その価値観を押し付けるように退職を促します。また、「妊婦は動いたほうがいい」「私のときは休ませてもらえなかった」などと、負担の大きい業務を強要します。

いじめタイプ

休まれることへの「迷惑」「楽をしている」などの空気を職場全体で醸し出し、「休めない」「休みずらい」状況に追い込みます。また、独身の同僚から仲間外れにされるというケースもあります。本来は、経営者や管理職がしっかり業務整理をして不満が出ないようにするべきなのに、すべて妊娠した女性に降りかかってしまいます。他にも、妊娠を上司に伝えると嫌な顔をされた、飲み会などでわざと煙草を吸われた、という嫌がらせを受けたという事例も多いです。

パワハラタイプ

「時短業務は許さない」「妊婦でも特別扱いしない」「妊娠は病気じゃない」などの考え方によって、わざと負担のある業務に従事させ、最終的に自主退職を促します。

追い出しタイプ

妊娠したら有無を言わさず全員退職してもらうという方針を持っているタイプです。正社員からパートタイマーへの転換を迫るケースもあります。そもそも、産休・育休制度について無知であることが多いです。近年でもこのような考えの企業は少なくありません。

これも?マタハラになる可能性がある事案

退職させなければマタハラにならないのではないか、という勘違いをしている経営者は少なからず存在しています。妊娠したことを理由にして、降格や減給といった労働者にとって不利益な状況になることも重大なマタハラ事案として存在しています。

日本の大手航空会社の事例

ある客室乗務員が妊娠したため、地上勤務を申請したのにもかかわらず、その申請を却下され、強制的に休職に追い込まれたというものです。

妊娠した女性は客室乗務員として勤務することができないため、休職をするか地上勤務をするかを選択できるという規則がその航空会社には存在していました。しかし、会社側は不景気などを理由として、地上勤務を許可せずに強制的に休職させたことが問題となりました。この訴訟では、実質会社側が負けを認める形の和解という結果になりました。

このように、退職をさせない場合でもマタハラというのは起こりうるものであり、経営者は注意をしなければなりません。

配慮と強要の違いを理解することもマタハラ対策

経営者としては、会社の考え方や個人の考え方がマタハラにあたるものでないかをしっかりと把握しておく必要があります。たとえば、「妊娠をしているから業務量を少し軽くする」、「事務所内の作業をさせる」、「残業量を減らす」、これらのような対応は妊娠している女性に対しての配慮であり、当人としっかり話し合っているのであれば、マタハラには該当しません。

ただ、妊娠している女性が望んでいないにもかかわらず、業務量を減らしたり、事務所内の作業を無理やりさせてしまった場合、これは「配慮」ではなく「強要」となってしまいます。これは、女性が体調不良であっても同じです。会社として配慮して帰らせようとした場合でも、女性にその意思がないとマタハラと捉えられる恐れがあります。マタハラと受け取られないためには、配慮と強要をしっかり区分したうえで、当人としっかり話し合う必要があります。

妊娠しているだけで批判されるのはおかしい

世間では妊娠している自分を過剰に優遇させようとする「妊婦様」が批判の的になっているようです。インターネットなどの情報に影響され、妊娠しているというだけで批判されるという状況は社会的にも、見過ごしていいものではありません。妊娠中の従業員の態度に問題があれば注意し、従業員に対しても教育を行うようにすることが大切です。

妊娠した女性としっかり意思疎通をしよう

単に退職を迫ることだけでなく、ちょっとしたことでもマタハラと受け取られる可能性があります。会社として配慮することは必要ですが、決して強要することなく、妊娠した女性と対話をする必要があります。

また、従業員が多くなればなるほど、様々な事情を抱えた従業員がいることを頭に入れておかなくてはなりません。「婚活中、妊活中なのに、妊娠した女性のフォローを頼まれた」など「逆マタハラ」という事象も問題になっています。

妊娠は本来はとても喜ばしいことであるはずです。社内でもマタハラが起こらないような社内教育を積極的にしていく必要があるでしょう。

プロへ一括相談・見積もり依頼ができます!

カンタン・便利な「まとめて相談(無料)」

全国選りすぐりのプロが5000人在籍。フォームに入力して送信するだけで、実績あるプロたちから様々な回答・提案が届きます。比較検討して依頼先を選ぶことができるので、より良いプロが簡単に見つかります。

無料で一括相談・見積りする

ニューストピックスについて

\SNSでシェアしよう!/

プロのコメント

山栄大幸 社会保険労務士
  • 労働者派遣申請代行センター
  • 山栄大幸社会保険労務士

平成29年10月改正の育児介護休業法に基づき、労働基準監督署より就業規則の中の育児介護休業規程の変更届が促されております。詳細は、労働局の職場環境均等室に尋ねて下さいと言われます。 尚、育児介護休業法は、改正前においては、原則子供が1歳になるまで、保育所などが見つからない場合に1歳6ヵ月までの延長が認められていましたが、保育所にも預けられない、育休も取れないという期間が発生してしまう労働者がいることが社会問題となっておりました。 改定育児介護休業法は、1歳6ヵ月時点でも預け先が確保できない場合には、育児休業延長の追加申請により、子供が2歳になるまでの延長が認められるようになり、育児休業給付の支給期間も延長されました。 また本改定育児介護休業法には、本人や配偶者の妊娠がわかった時点で、事業主は労働者に対し、育児休業などの支援制度の詳しい内容を「個別に周知する」努力義務が盛り込まれました。 それに付随して「制度の申出・利用に関して、当該申出・利用をする社員の就業環境を害する言動を行ってはならない。前項の言動を行ったと認められる社員に対しては、厳正に対処する。」と言った育児休業・介護休業等に関するハラスメントの防止の規定も育児介護休業規程の中に盛り込まれ、それに伴い就業規則本則の懲罰の規定の中に、マタニティハラスメントに対する罰則も強化されるようになっております。 現在、ワーク&ライフバランスの時代ですので、育児休業の申し出に対する嫌がらせやマタニティハラスメントが無い雇用環境が望まれます。 一般事業主行動計画の策定を試みられるのも、良いかと思います。

コメントする

この記事の監修者

「助成金/年金相談したい!」「未払い残業代どうしよう…」「保険手続の負担が…」 ⇒社会保険労務士へお気軽にご相談ください! ◆助成金に関わるご相談/申請代行 事業経営して...