要注意!アルバイトスタッフにも有給の権利があるんです!!

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正社員や契約社員の場合、有給休暇を付与しなければならないということを理解している経営者は多いです。しかし、アルバイトスタッフであっても、条件を満たせば有給休暇を付与しなければならないことは見落とされやすいです。ここでは、アルバイトスタッフの有給休暇について解説します。

有給休暇の定義とは

有給休暇とは、「年次有給休暇」を正式名称としており、この休暇を適用することで、休暇を取得してもその日の賃金が支払われる制度のことをいいます。これは、一定の条件に該当することで、毎年一定の日数付与されるものであり、労働者はこれを自由に行使することができます。

有給休暇というと、正社員だけの特権でありアルバイトやパートタイマーでは取得することができないと勘違いしている人も少なくありません。しかし、労働基準法には労働者の定義があるだけで、アルバイトやパートタイマーはもちろん、契約社員という言葉も出てきません。労働基準法によれば「職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者、賃金を支払われる者をいう。」とされています。

つまり、労働基準法ではアルバイト等も区分されずに「労働者」に含まれるため、有給休暇の権利も与えられます。「知らなかった」ということのないように、有給休暇については正しく知っておくべきです。

アルバイト従業員の場合でも要件を満たせば有給の権利が発生します。全労働日数の8割以上出勤し、雇い入れの日から6か月以上経過していれば、たとえ週に1日のみの勤務であっも有給が付与されます。

付与される日数は、1日当たりの所定労働時間や労働日数によって異なります。定期的にアルバイトとして労働をしており、週30時間以上、かつ週5日もしくは年間217日以上勤務している場合は、初年度に10日間の有給休暇が付与されます。週に4日の勤務であっても、初年度に7日間の有給が付与されます。有給の付与日数については労働基準法にて定められています。所定労働日数ごとの有給付日数は、厚生労働省のホームページで確認することができます。

また、有給の付与日数は勤務1年を経過するごとに、11日、12日、14日と増えていき、以降は1年ごとに2日ずつ増加して、最大で20日まで付与することができます。それ以降は毎年20日の有給休暇付与となります。

労働日数が不定期な場合

また、アルバイト労働者の中には、定期的に労働しているのではなく、不定期に労働している場合もあります。たとえば、今週は週5日勤務したが、来週は週1日、その次は週4日など、自由なシフト制の場合などが考えられます。そのような場合は、雇い入れから半年経過した時点の実績から換算して考えます。入社後半年で勤務実績が45日であれば、2倍して年換算した90日を1年間の所定労働日数とします。そのうち8割以上出勤していれば、有給休暇が3日付与されます。

所定労働日数ごとの有給付与日数は以下の通りです。

週間労働日4日または年間労働日169~216日

勤務開始後6か月で7日間の有給休暇が付与されます。1年ごとに8日・9日・10日・12日・13日・15日と増加していきます(上限15日)。

週間労働日3日または年間労働日121~168日

勤務開始後6か月で5日間の有給休暇が付与されます。1年ごとに6日・6日・8日・9日・10日・11日と増加していきます(上限11日)。

週間労働日2日または年間労働日73~120日

勤務開始後6か月で3日間の有給休暇が付与されます。1年ごとに4日・4日・5日・6日・6日・7日と増加していきます(上限7日)。

週間労働日1日または年間労働日48~72日

勤務開始後6か月で1日間の有給休暇が付与されます。その後1年ごとに2日・2日・2日・3日と増加していきます(上限3日)。

給与の算定方法

正社員や契約社員の場合、日給がはっきりしているので有給休暇の給与計算額は比較的わかりやすいです。しかし、アルバイトの場合は一定ではありませんので次の3種類の中から選択をして計算をする必要があります。

①所定労働時間労働した場合に支払われる賃金から計算

もし、有給休暇を取得する従業員が、仕事をした場合に働いた時間に関する賃金が支払う方法です。たとえば、1日4時間勤務の契約となっていた場合は、4時間分が給料になります。これには、各種手当も含まれます。

②平均賃金から計算

過去3か月に支払われた給与の平均値を支給する方法です。賞与や弔意見舞金などの収入や、休業期間や育児介護休業の期間は除外します。

③標準報酬月額から計算

健康保険に規定されている標準報酬月額を30で割った金額を支払う方法です。ただし、この方法を使う場合は、労使協定を結ぶ必要があります。

そのほかに気をつけるべきこと

アルバイトの有給付与に関しては、正社員と同様に労働者の義務として付与しなければなりません。有給休暇を付与しないことはもちろん法律違反ですし、アルバイト従業員からの有給休暇取得申請を却下することはできません。

ただし、どうしても休暇取得希望者が多いなどの理由によって、業務に支障が生じる場合は他の日に有給休暇の取得を変更してもらう「時季変更権」を行使することができます。それでも、有給休暇を却下するのではなく、あくまでも時期を変更するということだけ理解しておく必要があるでしょう。

また、正社員同様に有給休暇の取得に際して、理由を求めることはできません。従業員に気持ちよく働いてもらうためにも、正社員同様に有給の管理をしていく必要があるでしょう。

アルバイトでもしっかりと有給休暇を付与すること

従業員として雇用するのであれば、アルバイトであろうと条件を満たす労働者には有給休暇を付与する義務があります。付与条件などは労働時間や労働日数によって変わります。間違えることのないように、専門家である社会保険労務士などと連携をして管理していくようにしましょう。なかには勤務開始時から有給を付与する会社、有給付与日数を増やしている会社もあります。福利厚生の一環として検討してみるのもおすすめです。

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プロのコメント

山栄大幸 社会保険労務士
  • 労働者派遣申請代行センター
  • 山栄大幸社会保険労務士

有給休暇は、週5日の勤務で継続して6か月勤務した場合は10日、週所定労働時間4日(1年間の所定労働日数が169~216日)の場合は7日、週所定労働日数3日(1年間の所定労働日数が121日~168日)の場合は5日、週所定労働日数2日(1年間の所定労働日数が73日~120日)の場合は3日、週所定労働日数1日(1年間の所定労働日数が48日~72日)の場合は1日となっております。 尚、短時間労働者が週5日の勤務をした場合は、継続して6か月勤務した場合は10日の有給休暇を付与されますが、1日当たりの給与がフルタイムの方の給与と比較して低くなりますので、例え有給休暇の日数はフルタイムの週5日の勤務で同じでも、有給取得期間に貰う給与において差別化が成されます。

永森延和 社会保険労務士
  • ながもり労務経営デザインオフィス
  • 永森延和社会保険労務士

労働基準法を読まれたことはありますでしょうか? 個人的には大変勉強になる法律だと思っています。仕事柄何度も読み返しますが、ただ条文だけを追っても気が付かないことも多々あります。 そのひとつが、本文の中にもありますが、労基法の中には正社員やパート社員、アルバイトという言葉はなく、「労働者」とだけ表記されていること。つまり「労働者」の定義に合致すればパート社員、アルバイトであっても基本的には労基法の権利が与えられる、というのが大前提です。 就業規則の適用範囲に「パート、アルバイトは除く」と規程したとしても、法律上の権利は変わらないことにご注意ください。

吉川直樹 社会保険労務士
  • 吉川経営労務商会
  • 吉川直樹社会保険労務士

 比例付与についてはは就業規則の原稿にこれを入れると「カットしてくれ」というお客が非常に多いです。仮にカットして提出しても監督署では何も言いません。しかし、労働基準法施行規則第24条の2の5の自動適用によって、パートにも年次有給休暇取得権が付与されることになります。就業規則で労働基準法を下回る基準を設けてもそこは補って解釈されます。

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この記事の監修者

【池袋駅から徒歩4分】社会保険労務士として、経営者様の「右腕」として、人事労務や社会保険に限らず、さまざまなお悩みを承っております!労務管理サポートや社会保険手続きのアウトソーシン...