子供がいる場合の離婚…親権や養育費など手続きのポイントとは?

離婚
離婚・男女問題

子供がいる場合、離婚は当事者だけではなく家族全員が関わる問題となり、離婚の手続きについても様々な違いがあります。財産分与や慰謝料のほかにも、子供に関して取り決めるべき項目があることを知っておかなければなりません。子供と離婚の関係についてポイントとなる点を解説していきます。

子供がいる場合の離婚時の留意点

離婚は夫婦間の問題ですが、子供がいればその将来に関わる家族の問題となります。子供にとって親の離婚は、人生の大ダメージとなることは避けられません。離婚に際しては、双方が子供のためにできうる限りの譲歩と努力をする必要があります。協議によっても親権者が決まらず、家庭裁判所での離婚調停や訴訟になった場合は、調査官にどちらの親権が子供の福祉になるか調査してもらうこともできます。

子供がいる場合には、手続き上で取り決める項目が増えます。不備のないように話し合いを重ね、子供が辛い思いをしないように配慮していきます。取り決めるべき大きな項目としては、「親権」の問題があります。未成年の子供がいる場合には、必ずいずれかが親権を持たなければなりません。協議離婚の場合にも、親権が決められなければ離婚を成立させることはできません。

次に「養育費」の分担を明確にします。親権を持たなくても、親であることに変わりはありません。子供の生活を保証する責任を自覚し、毎月の金額や、満18歳までか成人までかいずれを支払い義務年齢とするかなどについて取り決めます。

また、親権を失った親にとっては、「面会交流」の権利獲得は必須です。現在は原則として親である以上、自然法上の権利として面会の権利を持つと見なされています。しかし養育する相手の気持ちや子供の置かれた状況によっては、会うことが困難になる可能性もあります。頻度や回数、面会の時間の長さなどについて、明文化しておくのがよく、子供が乳幼児の場合は、連れ去りにも注意しておかなければなりません。

親権と監護権についての基礎知識

「親権」には「財産管理権」と「身上監護権」の2つの内容があります。財産管理権は、財産の管理や契約締結等財産上の処分行為に際しての同意権を定めるものです。一方の身上監護権とは、例えば義務教育上の同意や居住場所の指定、さらにしつけや保護の責任を伴っています。

基本的には身上監護権は親権に含まれるものとされていますが、事情によっては、親権と監護権が、父親と母親とに分離される可能性もあります。例えば、親権者である父親が長期海外出張に行かなければならないケースや、子供がまだ幼いため養育は母親が、財産管理を父親が行うというケースでは親権と監護権は同一人でなくても構いません。

親権の獲得を巡って調停が長期化することはよくある話ですが、ただ強硬に主張しただけでは認められません。親権の獲得の要素としては監護意欲があり、監護能力が備わっていること、そして、子の養育に必要な最低限の経済力と養育環境の整備ができていることが重要であり、子供との日常的な接触、虐待や遺棄などの問題の有無、離婚原因なども関係してきます。日頃は妻に育児を任せきりにしてきた夫が、親権を主張しても正当性に疑問をもたれるばかりです。実際の調停現場では、子供の年齢が低いほど母親の優位性が高くなるのが現状です。父親が小さな子供の親権を獲得するためには、養育環境の整備が大前提となることは間違いないでしょう。

養育費の相場と計算方法

養育費は親権を持つ側だけではなく、親として双方が養育の責任を負うという考えの元に「夫婦がその経済的状況に応じて相応に負担する」が原則とされています。

子供の生活と教育に関して必要となる額を、各自の収入と未成年の子供の人数から機械的に割り出していきます。裁判実務上で定められている算定方法を基準としているため、おおよその相場を知ることができます。裁判所のホームページに「養育費算定表」が掲載されており、支払い義務者の年収、被雇用者・自営業者、子供の年齢・人数などから目安が見られるようになっています。

もちろんあくまで一般的な基準としての養育費であるため、協議次第では支払われる期間や教育費の範囲など、当事者間の取り決めによって金額が上下します。また、養育費は基本的には子供が20歳を迎える月まで支払われます。そのため大学在学中であっても、学費を最後まで支払ってもらえるかどうかも個別の取り決めに任せられます。

子供がいる離婚でトラブルを避けるために

子供がいる場合にはいずれが親権を得たとしても、離婚後のつながりは消えません。少なくとも子供が成人するまでは、離れて暮らしていても養育への責任があります。法的な知識がないと離婚時に不利な条件を提示されても気がつけず、子供との生活が行き詰まる恐れもあります。

協議離婚であっても公正な条件の下で離婚が成立するよう、離婚問題に精通した弁護士などの専門家に依頼してアドバイスを仰ぎながら進めるのが安全です。また、取り決めに関しては個人間の合意書ではなく、離婚協議書を作成し、公正証書を作成しておくようにします。将来的に養育費の不払いなどが発生しても、公正証書の記載に従い、裁判を経ずに強制執行を実施できます。面会交流や養育費の取り決めについても、想定されるあらゆる場面を考慮に入れ、詳細まで詰めておくことが大切です。

親権や養育費の問題だけでなく、子供の戸籍についても正しく知っておく必要があります。母親が親権者となり、旧姓に戻ったとしても、子供の氏は自動的に変わるわけではありません。氏が異なっていると同じ戸籍に入ることができないため、家庭裁判所に対して「子の氏の変更許可」を申し立てる必要があることも覚えておきましょう。

離婚後の子供の幸せな生活のために

離婚は大人の事情であり、子供はいうなればその被害者的立場です。別々の道を歩むことになっても、親としての責任が継続するのを決して忘れてはなりません。子供がいる場合には、離婚に際しての手続きが、より煩雑になります。親権、養育の取り決めやさまざまな手続きに関して、大きなトラブルがない場合でも専門家に相談しながら進めることで、不安なく新生活をスタートできます。

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プロのコメント

門田睦美 社会保険労務士
  • 門田睦美税理士・社労士事務所
  • 門田睦美社会保険労務士

女性が親権を取ったば場合で、婚氏を継続した場合もあると思います。例えば既にお子様が就学児童だった場合等、氏が変更すうことには抵抗があるかもしれません。ますは、お子様が入籍している状態で婚氏続称届を提出し、婚氏へ戻ったあなたの戸籍にお子様を入籍させるために、子の氏の変更許可審判と入籍届を提出することが必要です。入籍届は、家庭裁判所の許可が必要になりますが、問題はほとんどないと思います。お子様が15歳未満であれば,入籍届の届出人は親権者でできることになります。離婚届を提出する際に市町村役場にて書類の説明がありますので、しっかり伺って、お子様になるべく負担のかからないことを一番に考えるのはいいと思います。

髙田俊二 行政書士
  • 髙田行政書士事務所
  • 髙田俊二行政書士

茲許、離婚は珍しいことではなく、身近なところでも起こっています。ただ、離婚後の生活を見ていると、離婚によってお互いに新しい人生を始め、生き生きとした道を歩んでいるケース、一方では、養育費が支払えずに双方とも厳しい状況に置かれているケース、子供の教育に苦労されているケース等も目立ちます。 離婚、特に子供のいるケースではお互いの感情を抑え、最大の被害者である子供のことを配慮した慎重な打ち合わせが必須です。 先ずは、離婚をせずに問題を解決する道を探すことが一番です。離婚にかけるエネルギー、離婚後のマイナス面を考えれば、やはり離婚を回避することが最善です。 然しながら、諸事情から離婚が避けられない場合には、将来に禍根を残さないよう、お互いの要望を出し切った上で協議を進める必要があります。離婚後のトラブルを見ると、その大半が、離婚を急ぐ余り肝心な部分を決めていなかった、協議が守られなかった場合の手段を決定していなかった、というものです。 離婚に際して、話し合いが持つことが可能な場合、通常、協議離婚として離婚協議書を作成します。ただ、この離婚協議書は必ず「強制執行認諾約款付公正証書」にすることがポイントです。単なる離婚協議書のみでは、養育費の支払いが滞った場合など、これを強制的に支払わせる場合には一度訴えを起こす必要がでてしまいます。 また、協議書の内容は、「親権・監護権・面会交渉権」及び「養育費・財産分与・慰謝料」等がメインとなりますが、これらについても、単に金額、時期、分担方法等を決めるのではなく、この協議書の内容が守られなかった場合の対処方法、ペナルティーまで決めておくことが必要です。これを決めておかなかったために、離婚後のトラブルが絶えないのが現状です。 これらを綿密に決めておけば、万一不履行となった場合にも、先ほどの「強制執行認諾約定」により、早期に当初の約束を実現させることが可能となります。 また、離婚については、早期に弁護士、行政書士等の専門家に相談することをお勧めしますが、更に離婚に強いファイナンシャルプランナーにも相談されると安心だと思います。当事務所はCFP事務所も併設しておりますので、離婚に関しての法律的な問題の解決に加え、経済的な面、生活の面のサポートもポイントになってくることを実感しています。

鬼沢健士 弁護士
  • じょうばん法律事務所
  • 鬼沢健士弁護士

子がいる場合の離婚案件は揉める傾向があり、長期化しやすいです。金銭のことであれば多少の妥協はできても、子のことは妥協したくないと考える方が多く、双方の主張が対立するのです。 子のことを離婚調停や離婚訴訟で争っていく場合には、弁護士に依頼することを強くおすすめします。お金はかかりますが、子のことに関する出費は惜しむべきではないと思います。

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この記事の監修者

弁護士経験30年以上!培ったノウハウを還元し、企業・店舗だけでなく個人の法律問題にも幅広く丁寧な対応を心掛けております。 <当事務所の特徴> 1_企業・店舗へ積極的なアドバ...