経費計上したいけど領収書がない!代わりになる証拠書類って?

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経費を計上するときには、領収書をもとに計上していくのが基本です。しかし、銀行引落しの支払い、クレジットカード払い、お祝い金の支払い、自動販売機での購入など領収書のない場合はどうすればよいのでしょうか。経費計上をするときに、領収書の代わりにできる証拠書類について解説します。

経費計上と領収書の関係

領収書とは、お金を受け渡ししたときに、お金をもらった人がお金を渡した人に発行する書類のことです。領収書は、お金を渡した人が実際にお金を渡したことを証明する書類としての役割があります。経費を計上するときには、この領収書がもとになります。

領収書には、領収書を発行した日付、領収書を発行した側の住所と氏名、金額、支払い内容(但し書き)が明記されていることが必須要件となります。このほかに、領収書を受け取る側の名称(宛名)を記載することや、金額が5万円以上の場合は収入印紙の添付も必要になります。

領収書にかえてレシートが発行される場合も多いのですが、税務上の証憑書類としてはレシートでも代用することができます。ただし、レシートは感熱紙が使用されていることが多く、時間が経過すると文字が消えてしまうという難点もあります。そうなると領収書としての効力はなくなってしまうので、レシートをコピーしておくなど保存方法を工夫するようにしましょう。ちなみに、飲食費が交際費として認められるためには、飲食をした相手の名称や人数の記載が必要になりますので、領収書やレシートにメモをしておくようにしましょう。

レシートのほか、請求書や納品書も領収書として取り扱うことができます。ただし、「代金済」「了」などの押印が請求書や納品書になされているなど、代金のやり取りがあったことを証明する文言が書かれている必要があります。

通帳引落し、クレジットカード払いの経費について

銀行口座からの引き落としで支払っている経費があれば、通帳記録のほかに請求書を保管しておくとよいでしょう。

通帳からの引き落としで支払うものの中で、毎月一定額の引き落としがあるものについては請求書が発行されないこともあります。その場合には、郵送されてくる利用明細やインターネット確認できる利用明細を印刷しておくようにするとよいでしょう。

また、ネット銀行を利用していて、紙の通帳を持っていないという場合には、インターネットで入出金記録を確認し、印刷しておくようにします。インターネット上の記録は、一定時間が経過すると確認することができなくなることもあるので、必ず印刷しておくかデータ保存をしておくようにします。

クレジットカード払いの場合には、クレジットカードの明細記録を保存しておくようにし、クレジットカード使用時にレシートが発行された場合には、レシートとクレジットカードの明細記録を一緒に保存しておくようにします。クレジットカードの利用明細がインターネット上でしか確認できない場合には、印刷して保存しておくようにしましょう。

お見舞金、お祝い金、香典、電車賃などの場合

従業員や得意先に、お見舞金、お祝い金、香典を支払うことがあります。当然ながら領収書もレシートも発行されませんし、利用明細などもありません。これらのものは、従業員に支払った場合には福利厚生費、得意先に支払った場合には交際費として経費計上することができます。では、証拠となる書類は何になるのでしょうか。証拠書類として決められたものがあるわけではありませんが、お祝い金や香典を支払った場合には一般的に案内状などがある場合が多いため、案内状に支払った金額をメモして、その案内状を保存しておく方法をとるとよいでしょう。

出産祝いや入院のお見舞いのように案内状がない場合もあります。そのようなときは、お見舞金、お祝い金、香典などを管理する帳簿をつけ、支払った日付、支払った相手先、金額を記録しておくようにします。経費精算をするときには、その記録にしたがって計上していきます。

従業員の慰労をするためや得意先の訪問を受けたときに、自動販売機で飲み物を購入した場合にも同じように、日付、相手先、金額を記録する帳簿を用意して記録をしておくようにすれば、経費として計上することができます。電車に乗るときに切符を購入して領収書がない場合にも、乗った場所と降りた場所、電車に乗った目的などを記録しておくことで、旅費交通費として経費計上することができます。

領収書の代わりになる証拠書類保存上の注意

領収書を受け取っても、その領収書に不備がある場合もあります。領収書を受け取る時点で不備がないか確認するべきですが、不備に気づかないまま領収書を受け取ってしまう場合もあります。例えば、「収入印紙がない」場合。印紙税の納税義務は、領収書を発行した側にあります。収入印紙の貼付がない領収書でも、無効になることはありません。

意外と多いのが、宛名が空欄であったり、「上様」と記入されていたり、宛名のない領収書です。小売業、旅客運送業、旅行に関する事業、飲食業、駐車場業については、宛名なしの領収書でも問題ないとされています。業務との関連性があれば、宛名のない領収書でも経費として認められますが、税務調査で指摘されることもあるので注意が必要です。

稀に白紙の領収書を渡されることもありますが、自分で金額や宛名を記入してはいけません。宛名に関しては空欄でも構いませんが、金額を自分で書いてしまうと、領収書の信憑性が損なわれてしまいます。つまり、「横領」や「脱税」「文書偽造」の疑いがかけれれることになります。白紙の領収書は受け取らず、きちんと記入してもらうようにしましょう。

領収書をなくしてしまったとき

万が一、領収書をなくしてしまった場合は、取引関連書類や金融機関の出金記録があれば、経費として処理できることがあります。現金支払いの場合は、相手先に領収書の再発行を依頼します。再発行できない場合も多いですが、領収書の控えをコピーさせてもらう方法もあります。

そのほか領収書がない場合にどうしたらよいのか、経費をどのように計上していけばよいのかといったことや、領収書の保存など、悩んでいることがあれば税理士に相談するとよいでしょう。

経費を精算するときに出金伝票を作成することがありますが、この出金伝票をもとに経費計上することもできます。出金伝票の摘要欄に、支払った相手先や支払った目的を記載するとともに、実際に取引があったことを証明する書類を添付し、保管しておくようにします。

経費計上をするときに領収書がない場合のポイント

「領収書がない経費」には、銀行引落しの支払い、クレジットカード払い、お祝い金の支払い、自動販売機での購入、紛失などさまざまなケースが考えられます。証拠書類として使えるものがあれば保存し、証拠書類となるものがない場合には帳簿や出金伝票で管理をしていくことで、多くの場合、経費として計上することができます。

領収書に不備がある場合や、領収書からどのようにして経費を計上していけばよいかわからない場合など、経費計上で悩んでしまったときは、税金の専門家である税理士に相談することをおすすめします。

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プロのコメント

山栄大幸 社会保険労務士
  • 労働者派遣申請代行センター
  • 山栄大幸社会保険労務士

領収書は、費用収益対応の原則において期間損益計算を行う場合、当該裏付けとして必要になるものですので、保管が大切になります。 最近はクラウド会計を利用する際に、領収書や請求書をスキャナでデータ化し、ファイルボックス機能(書類管理機能)を使ってfreeeに取り込むシステムが推奨されております。 MFクラウド確定申告の連携機能があれば、現金払いをしたレシートは月に1度程度、マネーフォワードという家計簿アプリを使って撮影し、仕訳が自動的に行われ確定申告の時間が省けます。 労働局の職場環境均等室の業務改善助成金や職場意識改善助成金においても、当該クラウド会計の導入の補助を行っておりますし、経済産業省のIT導入補助金やものづくり補助金においても、生産性を向上するツールとして補助に対象となっております。 領収書の整理を考えるコラムになりますが、この際に、補助金を利用して当該システムを採用して、会社内の生産性を向上させることにより、労働時間の削減に繋がれば、人件費の見直しにも繋がっていくと思います。

辻本弘仁 税理士

経費を使いましたが、領収書ありませんやなくしてしまいました! というのは、よくある話です。 もちろん原則的には領収書がなければ経費計上できません。 領収書があっても上記の要件を満たさなくてもいけません。 ただ、そもそも領収書が発行されないものは、市販のコクヨの振替伝票に記載すればいいです。 なくしてしまった場合でもそれで構いません。 あと、カード払いで領収書が発行されるものも領収書は保存義務があります。利用明細のみではいけません。 もちろん、ETCなど発行されないものは利用明細で確認します。 以上となりますが、具体的にどうすればいいのかとお困りであればお気軽にご相談ください。

秋山倫一 行政書士
  • 行政書士事務所秋山法務店
  • 秋山倫一行政書士

 派生的ではありますが、入出金管理につき便宜な習慣を披露します。  弊職は所謂自営業ですから、あらゆる入出金につき請求書、領収書といった証憑を案件毎にファイル管理し、来るべき決算に向けてきちんと仕訳し、各種手製の経理資料に入力しておくのは当然の日常業務です。  日々発生する様々な取引をどう管理するかと言いますと、全ての取引につき、常時携帯する手帳やビジネスダイアリーに記入。スマホ(iPhone)のカレンダー、リマインダー、メモ機能を駆使して備忘録として使用。これでいつでもいつどのような取引が誰との間に発生し、決済はどうなったかをどのツールを見ても逐一把握、説明できます。それが証拠力としていかなる効果があるかはともかくとして。一見面倒ですが慣れれば一瞬の作業です。  会社員の頃は、例えば海外出張においては、訪問国(外貨)毎に財布やクレジットカード、領収書ファイルを使い分け、個別に入出金の顛末が完結するよう管理していました。  結果帰国の飛行機の中では既に出張精算の資料が完成しているという状態です。  取引の事実というのは時間とともに記憶、詳細が不明になりがちです。領収書の紛失、発行されないといったケースに対する現実の処理法としては税理士の先生方がアドバイスされているような伝票処理になるのでしょうが、補完的に事実を裏付ける材料としてかような金銭管理の習慣を身につけられてはと思います。    

出間忠公 税理士

基本的に領収書などの確かに支払ったぞという証拠に基づき始めて経費を経常し、利益を下げることができます。しかし、領収書をなくしてしまった!という場合には請求書やお通帳に引き落とされた印字によりその支払いが事業のために行われたものであることが立証されることもままあります。ただ、日常生活の中で領収書が発行されないケースも多く(自動販売機や電車などの券売機など)、この場合には伝票に記載しておけば社会通念上相当額だと判断できるものは経費計上が可能ですね。

江幡淳 税理士
  • 江幡公認会計士税理士事務所
  • 江幡淳税理士

同窓会の会費、懇親会の会費などについて、主催者側の事情により、領収書が発行されない場合があります。そのような場合、事業用の現金を別管理している場合は「出金伝票」を、そうでない場合は「振替伝票」を作成してください。どちらの伝票も市販されております。伝票には、日付、支払先、金額、支出の目的を記載してください。その他、例えば、同じ日にタクシーを使用した、2次会に参加した場合で、それらの領収書があれば、上記の伝票と領収書をまとめて保管しておくとよいでしょう。要するに、税務調査が入った場合に、何ら後ろめたいことがなく、公明正大に説明できる状態にしておきましょう。

門田睦美 税理士
  • 門田睦美税理士・社労士事務所
  • 門田睦美税理士

領収書について、税務調査でも問題になるのが、会議費や交際費です。1人5,000円以内で社外の方と飲食をした場合は、損金不算入となる交際費としなくてもいいですが、総額で領収書をもらい人数の記載がなかった場合、また誰が参加したかの記録がない場合には損金不算入(中小企業の場合には800万円まで加算なし)になることもあります。また社内交際費とみなされて、こちらは、5,000円以下であっても損金不算入の交際費になります。正確に記録すること及びお店の方に必ず人数の記載をしてもらうよう心がけてください。

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この記事の監修者

【税理士は経営者の皆様にとって身近な相談役です】 最近はなんでもスマホに聞け!という時代ですが、事業を運営・経営される皆様はそれだけでは解決できないことも沢山あろうかと思います。...