インターンシップとは?受け入れ側のメリットと知っておくべき注意点

人事管理

学生と企業の顔合わせの場として「インターンシップ」を導入するケースが増えています。より優秀な学生を採用したいと考える経営者なら、実施を検討している方は多いのではないでしょうか。ここでは、インターンシップを受け入れるにあたって頭に入れておきたい、メリットや対策をとるべき注意点をご紹介します。

インターンシップって何?

「インターンシップ」とは、簡単に言えば学生の就業体験のことです。学生の専攻や将来の希望職種、資格取得などに関わる企業が学生を一定期間受け入れ、実習や研修を行います。実施期間は1日だけのものから1カ月を超えるケースまで幅広く、活動の内容も企業によりさまざまで、法律などで明確に規定されているわけではありません。

インターンシップには、学校が積極的に関わって実施されるものと、学校は関与せず、企業が直接学生を募って実施するものがあります。教育や医療の分野などでは資格取得のためのインターンシップが以前から行われていました。1990年代ごろからは、一般企業でも広く導入されるようになってきており、採用選考の一環として位置づける企業も増えています。

インターンシップを受け入れるメリット

インターンの受け入れは、学生と企業の双方にメリットがあるものです。例えば学生にとっては、「漠然とした将来の希望が実地体験により固まり、学習意欲が向上する」、「職業適正」がわかるといった利点が考えられるでしょう。

企業側にとってのメリットは、以下のようなものがあります。

(1)認知度の向上

インターンを受け入れることによって、企業や製品の学校や学生からの認知度を高めることができ、PR効果が得られます。

(2)職場の活性化

学生の配置によって、職場の活性化が期待できます。指導を担当する社員の成長につながるケースもあります。

(3)産業と教育との連携

学校とつながりを持つことで、産業界のニーズを教育に反映させることができます。

(4)採用のミスマッチ防止

学生があらかじめ職場を知ることで採用側と応募側のミスマッチを防げ、短期退職の抑制などにつながります。

また、採用選考の一環として実施する場合、早期に有望な学生とつながりを持つ、いわゆる“青田買い”の意味を持つこともあります。特に人手不足が深刻な整骨院・接骨院の場合、自院で研修を受けながら、柔道整復師の国家資格取得をサポートする制度を設けている例もあります。他にも、独自の奨学金制度を設けるなど、優秀な人材を囲い込む手段と考えている企業も多いようです。

インターンはアルバイトではない

インターンシップを実施する上で、注意しなければならないことはいくつかあります。中でももっとも忘れてはならないのは、「インターンはアルバイトではない」ということです。

インターンシップの目的は労働ではありません。あくまでも職業体験です。そのため、以下のような点にあてはまると、「労働性がある」とみなされて、問題となる可能性があります。

・指揮命令関係にある

・時間的拘束がある

具体的には、「学生に業務に関する指示を出して体験の範疇を超えた労働をさせ、企業が利益を得ている」、「遅刻、早退、欠勤に罰則がある」、「強制的な残業」などの状況があれば、たとえインターンシップの名目でも労働者と判断される可能性は高くなるでしょう。労働者に該当すれば、当然、労働基準法や最低賃金法などの法律が適用されることとなります。そうなれば「労働者を無給で働かせている」として会社のペナルティにもなりかねないのです。

また、逆にインターンに対して時給を支払っているような場合も、労働者とみなされ、適用される法律や保険の範囲が変わります。無報酬、もしくは交通費などを実費支給とするなど、報酬の設定にも注意が必要です。

インターンシップ導入の際の注意点

インターンシップを導入するうえで、労働性の問題以外に注意するべきリスクは大きく3つあります。保険に加入するなど、対策をとりましょう。

(1)学生が被災する事故

実習中の事故や怪我に関しては、基本的に学生個人の責任となります。ただし、指導や器機の管理などに不備があった場合は、受け入れ先企業の責任が問われるケースもあるため注意しましょう。企業に責任がある場合は、施設賠償責任保険などで対応することとなります。

(2)学生の行為によって生じる損害

損害の補填には学生の個人賠償責任保険や企業の財産保険などを使用することとなります。第三者に損害を与えた場合は、企業が損害賠償の責任を問われる可能性があります。この場合は施設賠償責任保険などで対応します。

(3)学生による機密の漏洩

企業機密や個人情報が学生によって漏洩するリスクもあります。受け入れの前には、文書で守秘義務に関する取り決めを交わしておく必要があるでしょう。

このほか、ハラスメントに関する問題なども注意すべき点です。学生だからと気安く発言すると、セクハラやパワハラ、モラハラなどにあたる可能性もあることを認識しておく必要があります。

正しい知識をもってリスクのないインターンシップ実施を

インターンシップの導入にはメリットもある一方で、対策をとるべきリスクも存在します。知識が不足したまま実施してしまうと、企業の信用を失う大きな問題となる可能性もあるのです。実施に不安がある場合は、事前に社会保険労務士などの専門家に相談することが、リスク回避に役立ちます。

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プロのコメント

山栄大幸 社会保険労務士
  • 労働者派遣申請代行センター
  • 山栄大幸社会保険労務士

新古典派経済学による「摩擦的失業」は、情報の非対称性などにより、労働市場の需要と供給が調整される過程で生じる失業である。 摩擦的失業の経済現象は、学生の就職活動時に、企業に関する十分な情報が得られずに、実際に就職してみたら、自分の思うものと異なっていたという原因が多く見受けられます。 そういった雇用のミスマッチによる「摩擦的失業」を解消するためにできた制度が「インターンシップ制度」であり、学生が希望する企業の実態を帰納法的に体験し、就職内定後の企業への就業の定着を図ろうとする目的が有り、希望する業種の実態に限らず、当該会社の企業理念も自分に合っているのかが、身をもって理解できる点が、最大の利点になります。 就職活動時に演繹法的に行う企業研究と比較すれば、体系的な情報が得られ、学生にとって、意思決定や選択の考え方を、実務的な観点から養うことも可能となります。 一方、企業にとっても、より良き人材の発掘に結び付き、これまでの学閥的な人員選考から、新たな選考基準への転換が迫られる事となります。 企業にとっては、産学官連携と同様に、地域経済への貢献と企業の社会的活動=フィランソロピー(philanthropy)によるイメージアップに繋がっていく事にもなります。

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この記事の監修者

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