パワハラ対策はマスト!経営者がとるべきパワハラ発生防止策とは?

労働問題

パワーハラスメント=パワハラに対する認知度は、近年非常に高まっています。一方で、具体的にはどのような行為がパワハラにあたるのかわからず、問題になるケースはまだまだ多いようです。雇用者や管理者と従業員の間でパワハラによるトラブルが起こるリスクは、以前と比べて高まっているといえるでしょう。ここでは、パワハラのリスクを軽減するための「パワハラ発生防止策」を、4つに分けてご紹介します。

パワハラ対策に関する経営者の方針を明確にする

まずは、経営者としての立場から、企業としてパワハラ対策を重要な課題として取り組んでいくことを周知することが大切です。「パワハラは許されざるものである」とする企業方針を明確にすることで、次のような効果が期待できます。

・従業員が互いに相手を尊重しながら仕事に取り組む意識が生まれる

・パワハラに該当すると考えられる行為を受けたときや、そのような行為を目撃したときに、指摘しやすい雰囲気ができる

方針は、経営者のメッセージとして発信することが望ましいでしょう。パワハラ防止を唱えるだけでなく、なぜパワハラ防止を重要視するのかの理由も、明確に伝える必要があります。さらに、方針の発信後、すぐに具体的なパワハラ防止の取り組みができるよう、事前の準備をしておくことも大切です。

社内のルール・相談窓口を整備する

ルールの整備も不可欠です。罰則規定(処分内容・適用条件)や、相談者が不利益を受けないための運用ルールなどを、分かりやすく、具体的にまとめましょう。特に、罰則の規定を明確にして周知することは、パワハラへの抑止力にもなります。

就業規則などにルールを定める場合には、労働組合や労働者の代表などに意見を求める必要があります。十分に意見を交換したうえでルールを整備してください。労働協約や労使協定を結んで、労使一体となって取り組むのも効果的です。新たなルールを盛り込むために就業規則を変更したときには、従業員に内容を周知する義務があります。文書の配布や説明会の実施などを必ず行いましょう。

●相談窓口の設置

ルール作りの中で必ず行うべきなのが、「相談窓口」の設置です。窓口の対応方法をマニュアルにまとめるなど、事前の整備をしっかりと行いましょう。相談への抵抗感を解消するために、社外の機関に委託するという選択肢もあります。窓口の運用を開始したら、寄せられた相談に対して迅速に対応することが求められます。早期の解決に向けて動く姿勢を見せることで、会社への信頼感にも繋がるでしょう。

従業員の教育・啓蒙を行う

パワハラの事例のなかには、加害者がパワハラを行った意識を全く持っていなかったケースも少なくありません。パワハラを未然に防ぐためには、管理職、従業員が、ともに、パワハラとはどういうものかという共通認識を持つことが大切です。共通認識を育てるためには、研修をはじめとした啓蒙に取り組む必要があるでしょう。

社内で研修を実施する際には、管理監督者と一般従業員で、内容を分けて行うのが効果的です。できるだけ全ての対象者が受講できるようにし、定期的に実施すると、より高い効果が望めます。研修用の資料としては、厚生労働省がオンラインで配布している「パワーハラスメント対策導入マニュアル」などが利用できるので、確認しておくとよいでしょう。外部の専門家に講師を依頼する方法もあります。

研修の実施と並行して、社内報やポスター、パンフレット、社内ホームページなどのツールを用意し、企業としての取り組みの内容や相談窓口について周知の徹底を行いましょう。

社内のコミュニケーションを促進する

パワハラの発生を防止するためにもう1つ重要なのは、社内のコミュニケーションの活発化をはかることです。コミュニケーションが活発になれば、次のような利点があります。

・声かけや相談がしやすくなる

方針や取り組みを周知しても、万が一パワハラの兆候があったときに発言ができなければ無意味です。普段から活発なコミュニケーションが行われている職場環境であれば、相談や声かけもしやすいでしょう。普段からコミュニケーションを密に取ることで、同僚や部下のメンタルの変化にも気づきやすくなり、被害の早期発見ができることもあります。

・目が行き届き現状把握ができる

コミュニケーションが活発な職場では、間接的にもパワハラの情報が入ってきやすくなります。状況を見ながら、周囲の人間に実態を訊ねたり、場合によっては加害者への指摘もできるでしょう。パワハラ防止を指導する立場にある人にも、情報が通りやすくなります。結果的に、パワハラの芽を早期に摘むことにつながるでしょう。

方針やルールの周知・教育・コミュニケーションが重要

パワハラ対策には、パワハラを行ったり被害を受けたりした場合のルール整備が欠かせません。また、企業としてパワハラ防止に取り組むという経営者の意思を明確にし、社内教育や周知に力を入れましょう。相談や声かけがしやすい、早期発見につながる環境作りも大切です。

ルールの整備や研修の実施には、手間や時間、専門的な知識が必要です。専門家の手も借りながら、パワハラ防止に向けて取り組んでください。

プロへ一括相談・見積もり依頼ができます!

カンタン・便利な「まとめて相談(無料)」

全国選りすぐりのプロが5000人在籍。フォームに入力して送信するだけで、実績あるプロたちから様々な回答・提案が届きます。比較検討して依頼先を選ぶことができるので、より良いプロが簡単に見つかります。

無料で一括相談・見積りする

ニューストピックスについて

\SNSでシェアしよう!/

プロのコメント

山栄大幸 社会保険労務士
  • 労働者派遣申請代行センター
  • 山栄大幸社会保険労務士

会社の上司と部下の関係において、指揮命令の範囲内の事案においても指揮命令を逸脱した事案においても、パワーハラスメントの問題が発生しておりますが、指揮命令の範囲内においては、権利の濫用と判断され得る行為は回避しなければなりませんし、指揮命令の範囲を著しく逸脱する行為は尚更、回避されなければなりません。 刑法総論の言葉を借りれば、パワーハラスメントの構成要件を就業規則に明確に記載し、違法かつ有責な行為であり、違法性阻却事由の余地があるか否かの基準を明記する必要性が出てきます。 パワーハラスメントの加害者側及び被害者側の法的均衡性の立場から、パワーハラスメントの構成要件に該当すると判断された場合の可罰的適合性を就業規則に明記することにより、罪刑法定主義の原則における企業内の法定安定性が確保できますし、一方でパワーハラスメントの構成要件の認定が難しい場合は、違法性阻却事由として認められるかの基準の解釈が必要になってきます。 労働基準監督署及び労働局雇用均等室へ相談することを、お薦め致します。 またパワーハラスメントには、加害者側と被害者側の感情の違いが原因となる場合がありますので、そういった場合は情報の非対称性により、社会的不経済が生じかねません。 経済学視点でのコースの定理により、加害者の余剰と被害者の余剰が均衡な状態になり、情報の非対称性による社会的不経済が解消されることが望まれます。

市川直人 社会保険労務士
  • 千の葉社労士合同事務所
  • 市川直人社会保険労務士

部下が、お客様に対して誤った対応をしてしまう、単純ミスを繰り返す、態度が悪い、遅刻早退などの任務懈怠等に対し、業務を行う上で、叱咤・叱責をする場面は多々あると思います。 それは、上司として当然の行為であり責務です。 ただし、それが業務の必要性を超えて、身体的に危害を加える(殴る蹴る)ことや、必要以上に精神的に追い詰める行為はパワハラと判断されてしまいます。 また、行為者(叱咤・叱責をする側)と、それを受ける側の感じ方は人それぞれで基準となるものはありません。 行為者が良かれと思ってした行為が、他の要素(長時間労働等)も相まって、受け手によってはパワハラであると思い込んでしまい、労働紛争となってしまうことも少なからずあります。 もし、そうなってしまった場合は、行政に言われるまま、粛々と処理をするしかなくなってしまいます。 そうならないように、従業員に教育等をしてパワハラの未然防止をする、会社内または会社外(専門家等)の相談窓口を設けて、困ったときにはそこに相談すれば解決できるような体制があれば、会社内で問題解決を図ることが可能になります。 社会保険労務士は、会社の中で人の問題を解決する専門家です。 まずは、労務トラブルを未然防止するために、従業員教育から始めてみませんか?

鈴木茂伸 社会保険労務士
  • フェリーチェ社労士事務所
  • 鈴木茂伸社会保険労務士

中小零細企業で管理者が社長様ひとりの事業所では、相談窓口がパワハラをしてしまった社長ということが起きかねません。 その場合、就業規則に記載しても意味がありません。また、従業員は相談のしようがないため、すぐに労基署などの役所へ相談となってしまいます。 では、どうするか。 そんなことかと思われるかもしれませんが、感情に任せて暴言を吐いたりするようなことは避けることです。冷静になって注意・指導をしてください。 そうすれば、多少厳しい言い方でもパワハラにはならないで済みます。 まずは一呼吸おいて、5秒数えましょう。それからどの点について注意・指導したいのか考えましょう。この時点で、週十秒経っていますので、だいぶ感情も抑えられると思います。 注意や指導でないパワハラを行うと行政機関からの指導などがあると心配する事業主さんもいらっしゃるかと思いますが、それ以上にパワハラによって従業員が辞めてしまい、事業が回らなくなるといったことで結局、自分の時間を取られたり、再度求人を出すことで採用コストがかかるなど金銭面の損失も大きいです。 「短気は損気」と肝に銘じて、冷静に対処しましょう。 (自戒を込めて)

吉村光弘 社会保険労務士
  • 吉村社会保険労務士事務所
  • 吉村光弘社会保険労務士

パワハラは管理監督者の認識不足が原因です。 企業は十分な労働環境を整備していないということで、従業員から訴えられます。 防止するためには経営者の意思を明確にすることが重要です。

永森延和 社会保険労務士
  • ながもり労務経営デザインオフィス
  • 永森延和社会保険労務士

パワハラが起こる原因は何でしょうか? 仕事熱心なあまり、部下(場合によって同僚や、上司へもありうる)に対し強い口調や厳しい言葉で指導したことが、相手にとってパワハラにとられるケースが多いような気がします。もちろん上司、先輩によるいじめも否定はできませんが、この場合は就業規則で規制したり、社内窓口を設けることによってある程度防止できると思われます。しかし前者の場合行為者本人はパワハラだと思っていないため、ルールだけでは解消されない気もします。 大事なことは上司・先輩が指導だと思っていても部下はパワハラだと感じる認識のギャップをどう埋めるか、ではないでしょうか? 私は社内のコミュニケーションをよくすること、及び階層ごとの研修が必要と考えています。時間はかかりますが、パワハラ対策以外にも効果はあると思いますよ。

秋山倫一 行政書士
  • 行政書士事務所秋山法務店
  • 秋山倫一行政書士

 そもそもパワハラをしでかす類型の社員を洗脳しなくてはなりません。  その類型とは、例えば新しい仕事・社員に対して否定的な古参の社員、サル山のボス的社員、男性社会の中、歪んだ野望を貫いて成り上がった女性管理職etc.。  彼らに共通しているのは、自己の過大評価、コンプレックスの裏返しによるリベンジ的マインド、命がけの保身。  一歩社外に出れば、通りすがりの小僧にフルボッコにされる一般ピープルに過ぎない事に鈍感な人間です。それ故余計社内における自己のステイタスを死守する訳です。  斯様な度し難い連中を御して、パワハラのない健全な職場環境にするためにはトップダウンで社内の換気をする必要があります。  一度起った不祥事の収束には就業規則所定の罰則で十分と思料します。  では、肝心の予防策のごく簡便な一例として、社内の従業員の呼称、これを役職、社歴、性別に関わらず、すべて一律「○○さん」にしてみてはいかがですか。これは上から下に対してです。「おい、○○っ!」はやめろという事です。  たとえ新入社員でも立派な社会人。将来社内での立場が逆転したり、転職その他の事情により敬語で話しかけなくてはならない立場になる可能性もあります。  敬語ならずとも、社外に対すると同様丁寧な言葉で指揮命令、コミュニケーションを取る事により、余計なストレス、感情抜きでクールに業務に専念できると思います。丁寧な言葉遣いにより、それに続く品性下劣な言葉は出て来ないはずです。それだけでもパワハラ類型の人間にとっては苦痛、効果が期待できます。  ついでながら、社長はじめ役職員に対して、「ウチは○○さんと呼んでます」と、フラットな社内環境をアピールする会社がありますが、私見ではそれは当該社の自己満足に過ぎず、白々しく苦笑せざるを得ません。  リスクマネジメントの観点から、社外、とりわけ国内外の出張時においては、周囲に対するカモフラージュとなり、要人狙いの犯罪のターゲット回避という効果はありますが。  社内においては、上位の役職名は呼ぶ側、呼ばれる側双方の意識、動機づけにおいて有効です。伝統的に、社長には社長でいいじゃないですか。  今の時代、パワハラ、セクハラ等、コンプライアンス違反として必ず会社に負の見返りが来る事を全社挙げて認識しなくてはなりません。ネットへの書込等により、たちどころに尾ヒレがつき拡散、取返しのつかない事態が一瞬にして起り得る事を覚悟しなくてはなりません。  また、労働者の駆け込み寺、ユニオンの存在も脅威となります。 昨今、最低賃金での雇用があちこちで散見されますが、これとてもパワハラの範疇と言えるかも知れません。かような事業所はその在り方自体疑問視されても仕方ありません。  とにかく従業員、労働者に対してナメたマネをするとタダでは済まない世の中である事を、経営者は胆に銘じる事です。  

澤辺祐太 社会保険労務士
  • たすいち社会保険労務士事務所
  • 澤辺祐太社会保険労務士

パワハラは、何をもってパワハラとなるか?という明確な基準がありません。パワハラ対策法といった、直接パワハラを取り締まる法律がありませんので、社労士的なお話をしますと、就業規則で、何をもってパワハラとなるか?を出来る限り詳細に定めて下さい。 ただし、人を本当に取り締まっているのは法律や就業規則などの理屈ではなく、その人の持っている倫理観や会社の風土です。 法律があるから殺人をしない、飲酒運転をしない、というわけではないですよね。 ですから、就業規則があるからOK!法律が出来たからOK!という話ではありません。 核となるのは人の倫理観、企業風土、雰囲気です、あくまでそこの向上・改善にフォーカスをしつつ、他方、理屈・根拠としての就業規則もなくてはならない、ということです。

コメントする

この記事の監修者

「助成金/年金相談したい!」「未払い残業代どうしよう…」「保険手続の負担が…」 ⇒社会保険労務士へお気軽にご相談ください! ◆助成金に関わるご相談/申請代行 事業経営して...