今さら聞けない助成金の受給条件

助成金・補助金

助成金を確実にもらうために経営者は、どのような点に気をつけるといいのでしょうか。助成金がほしいと思ったら、まずは自分の事業や取り組みが助成金の受給条件を満たしているのかを確認することが大切です。心強い「資金」となる助成金のスムーズな受給のために何に留意すべきかを考えます。

助成金のスムーズな受給に会社がすべきこと

助成金をスムーズに受給するために、会社が力点を置くことは雇用環境の整備です。助成金の原資は雇用保険なので、まず会社が確実に雇用保険を支払っているか確認しましょう。支払不足がある場合は、助成金の対象から外れる可能性が高くなってしまいます。

加えて、「就業規則」の作成も必要になってきます。就業規則は会社のルールとして機能し、従業員10名以上の会社は必ず作成しなければなりません。実は申請する助成金によっては、就業規則に関連する規定を明記しておく必要があります。従業員人数10名未満の規模など「就業規則を作るまでもない」と考えている経営者はいますが、助成金受給をきっかけに就業規則を整備するのは無駄ではありません。トラブルの防止にも役立つので、この機会に検討をしてみましょう。

このほかにも、様々な角度から職場環境を整備することで、助成金を受け取れる場合があります。自社にあった助成金の受給条件を確認し、会社として一丸となって整備を進めていくようにしましょう。

反面教師としたい、助成金を受け取れなかった話

様々な受給条件がある助成金制度。ここでは反面教師としたい、助成金を受け取ることのできなかった複数の事由をお伝えします。会社がこのようにならないよう意識することで、確実な助成金の受給に繋げていきましょう。

経営者が強いオーナーシップを築いていたA社。営業業務はともかく人事、対外交渉に至るまで、社長が把握してきました。会社が拡大するタイミングで事業展開の助成金の申請を検討するも、諸業務が忙しくなり、助成金が後回しになってしまいました。気がつくと助成金の申請期限が終了。経営者の多忙さが招いた機会損失となってしまいました。

もうひとつのB社。3人の社員のなかで最も若手の社員が助成金の対象となるも、契約社員が雇用保険に加入させていないことが判明。慌てて加入手続きをしたものの、申請期限までに書類などを準備することができませんでした。結局、助成金の受給は諦めてしまいました。

この2つのエピソードから言えることは、通常業務をこなしながら、助成金の申請手続きをするのは困難であるということです。雇用関係助成金の専門家である社労士へ相談するなど、一人で抱え込まないようにすることが大切です。

助成金の申請条件

また、確実に助成金の申請手続きを進めるには、最初に助成金の申請条件を満たしているかどうかを確認するようにしましょう。助成金ごとに条件は異なりますが、各雇用関係助成金に共通の要件は以下の通りとなります。

●雇用保険適用事業所の事業主であること

●不正受給をしていないこと

●労働関係法令の違反がないこと

●性風俗関連営業、接待を伴う飲食等営業ではないこと

●暴力団関係事業主でないこと

●6か月以内に事業主都合による解雇をしていないこと(懲戒解雇は対象外)

など

助成金の受給手続きとは?

助成金の受給手続きについてまとめます。まずは申請条件です。助成金は雇用の促進や従業員の定着を目的とするため、具体的には以下のような事業活動にかかる経費が対象になります。

 

〇人を雇用する…障碍を持つ人をはじめとした、雇用のチャンスが少ない人を積極的に雇用し、適切な業務を担ってもらう。

〇雇用を維持する…従業員の定年を伸ばす。嘱託職員制度の導入など

〇雇用環境を改善する…育児支援、アルバイトの雇用改善、介護への理解など

〇社会的に影響のある課題に取り組む…少子高齢化、地方創生の課題を解決する取り組みなど。

自社が受給できそうな助成金があったら、就業規則など必要な書類が準備されているかどうかを確認します。不足しているものがあれば、もれなく準備するようにします。次に、助成金の支給要件に沿った実施計画を作成し、提出する必要があります。無理のある計画をしてしまうと、助成金を受給できないこともあるので注意しましょう。

また多くの助成金は、助成金申請をしたあとの支出に対して「のみ」対象となることも注意点です。正社員への登用や高齢者の採用、教育訓練など、助成金の対象となる具体的なアクションを実行します。その後、一定の期間を経て、助成金の支給を申請できるようになります。支給の申請時にも多くの提出書類が必要になるので、助成金を受給したいと思ったら、計画の段階から抜け目なく準備をしておかなければなりません。

受給条件は「助成金ごとに異なる」というポイントを理解する

ここで大切なポイントは、助成金の受給条件は「一律」ではないということです。助成金ごとに異なる部分を理解し、受給できないトラブルを予防することが大切です。

ここで経営者にとって、とても頼りになるのが、雇用関係助成金の専門家である社会保険労務士(社労士)です。助成金制度は改正が多く、最新情報を知っておく必要があります。また、書類作成にも専門知識が求められることがあります。そんなときに、経験とノウハウを備えた社労士に力になってもらえると心強いです。

検索エンジンなどで「社労士 助成金」と入力すると、エキテンプロなどの士業ポータルサイトのほか、たくさんの社労士に関する情報が出てきます。希望するジャンルの助成金の種類や、事務所の場所、相性などによって選ぶようにしましょう。

助成金の確実な受給には「タイミング」が大切

このように、助成金の確実な受給、そのうえでの賢い活用には「タイミング」が大切です。日々の事業展開のなかでそれを進めるのはとても難しいもの。社会保険労務士などの専門家に依頼することで負担を減らしていきましょう。これは助成金の情報に精通している、専門家だからできることです。上手に専門家を活用することで、助成金受給を有利に進めましょう。

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この記事の監修者

「助成金/年金相談したい!」「未払い残業代どうしよう…」「保険手続の負担が…」 ⇒社会保険労務士へお気軽にご相談ください! ◆助成金に関わるご相談/申請代行 事業経営して...

プロのコメント

市川直人 社会保険労務士
  • 千の葉社労士合同事務所
  • 市川直人社会保険労務士

事業主の方から、よく助成金のご相談をされます。 ただ、よくよく聞いてみると、受給要件は満たしているものの、対象労働者がいなかったなど、すぐには受けられないケースがあります。 助成金自体、計画を提出してから助成金申請するまで少なくとも6ヵ月~1年。支給決定・銀行振込に1~2ヵ月、長くて6ヵ月くらいはかかりますので、機動的な事業資金として考えると足元をすくわれます。 ですので、事業資金として考えるのであれば、きちんとした事業計画を立て、融資を受けて事業を行った方が健全な事業発展が望めます。 助成金も同じで、まず、会社にとってプラスになる制度(たとえば、人事評価制度)を入れて、適正な人事評価を行うことで、人材の定着、人材確保を図るために計画を立てます。 そして、その計画を実行することによって、会社が抱えていた問題(ここでは人材確保)が解決するという効果が目的になります。 助成金は、その計画実行にかかった費用を助成するために出ます。 あくまで、助成金はオマケと考えていただき、何よりも助成金に取り組むことによって会社が良くなるということが目的となるよう持っていきたいと私としては考えております。 一番やってはいけないことは、あれもこれもと欲張り過ぎて、会社の方針と全然違う制度を入れてしまい、後々大変になってしまうことです。専門家の言う事を鵜呑みにせず、会社の方針と合致するものであるかどうか、今一度確認しながら取り組んでいくことをお勧めいたします。

吉村光弘 社会保険労務士
  • 吉村社会保険労務士事務所
  • 吉村光弘社会保険労務士

助成金は公的融資と違い返済義務がありません。 経営に必要な設備投資、社員教育、福利厚生発等に自由に活用できます。 雇用保険設置事業所であればほとんどの事業所が何らかの助成金の対象事業所となります。 しかし、助成金を申請するのは書類を用意したり、労働関係の添付書類を用紙したり手続が複雑です。 就業規則の変更も必要になることもあります。 これができるのは社会保険労務士だけです。 貴社にあった助成金を継続的に提案、申請代行いたします。

永森延和 社会保険労務士
  • ながもり労務経営デザインオフィス
  • 永森延和社会保険労務士

助成金の申請経験からアドバイスをいくつか。 まず10人未満の事業所でも助成金を取り組むのであれば、就業規則は作って労基署に届出ましょう。届出をしなくても「申立書」を添付すれば問題はありませんが、助成金の取り組みは期間が長く、その間何か確認が必要になれば申立書に署名している従業員全員に確認が入ります。万一退職した従業員がいれば追いかけることもあるようですが、その時点で連絡がつかなくなっている可能性もあります。労基署に届け出済であればそのような面倒なことにならないようです。 また会社都合の退職者がいない、というのも要注意です。優しい経営者は失業手当が早くもらえるように、退職理由を会社都合にしたケースも聞いたことがありますが、助成金の取り組みがしばらく先になってしまいますので気を付けてください。

橋岡雅典 社会保険労務士
  • はしおか社会保険労務士事務所
  • 橋岡雅典社会保険労務士

助成金の取得の相談が多くなってきました。 計画書を提出し認定は受けた、だけど申請の段階になって、残念だけど見送らなければならなくなった・・・。 こんなケースが見受けられます。 取得できる企業とできない企業で何が違うのでしょうか。 最も大きな違いは、労務管理が出来ているかどうかです。特に、時間の管理、変形労働時間制を導入されている企業については、十分に注意が必要です。 1年単位の変形労働時間制と1か月単位の変形労働時間制。両者当然違います。どう違うのかを理解し、勤務時間や時間外労働に関する部分に気を付けなければなりません。割増単価に影響してきます。 また、振替休日、代休に関しても注意が必要です。 ついどうだったかな?代わりに休みを与えたのだから、時間外は払わなくても・・・・。落とし穴が待っています。 助成金のご相談を受けるときに、よくこのようなケースを目にします。きちんと労務管理を行って、未払い残業など未払い賃金を防いで、適切な対応をしていれば、助成金の審査も比較的スムーズに進んでいきます。 今一度、皆様の労務管理を見直してみてはいかがでしょうか。 助成金を考えたときからでは、遅すぎます。

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