会計に悩む経営者必見!自計化のメリットとデメリットとは

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税理士や会計事務所に一切を依頼することもできる記帳業務ですが、一定の環境を整えれば、自社で行うことも可能です。ここでは、自社で記帳業務を行う「自計化」について、「導入によるメリット・デメリット」、「導入を検討するべきなのはどのような経営者やタイミングなのか」など、知っておきたい基礎知識を紹介します。

自計化とは

「自計化」とは自社計算化、つまり事業上の入出金などの取引内容を、自社で帳簿に記帳することをいいます。多くの場合は会計ソフトを使って、伝票や領収書をもとに自社のパソコンでデータを入力していくことになります。税理士によっては、積極的に自計化をすすめている場合もあります。

自計化を行った場合の一般的な経理業務の手順は、次のようになります。

1.領収書や請求書を整理する

2.領収書や請求書の内容を会計ソフトに入力する

3.入力した内容を税理士がチェックし、必要があれば訂正する

4.税理士が試算表を作成して返却する

社内で記帳業務を行う自計化に対して、記帳業務自体を税理士が請け負う「記帳代行」というサービスもあります。自計化の場合は記帳の手間はありますが、記帳代行を依頼する場合と比べて、税理士に支払う手数料を低く抑えることが可能です。

自計化のメリット

コストカットのほかにも、自計化することで得られるメリットはいくつかあります。

(1)会社の財務状態を常に把握できる

自社で会計データを処理するため、リアルタイムで会社の財務状態を確認できるようになります。税理士に記帳を依頼した場合は、データが処理されるまでに1カ月半から2カ月ほどかかることも珍しくないようです。

(2)将来的な財務分析ができる

現場の人間が経理に明るくなることで、資金繰り状況の判断や業績の予測ができるようになり、将来的な財務分析がしやすくなります。

(3)資料の正確性が上がる

事業や取引の内容について、外部の人間では把握できない詳細までを把握したうえで会計処理ができるため、より正確性が高い資料が作れます。

(4)処理のミスが減る

基本的に即月処理、翌月に監査という流れになるため、取引の詳細などが不明瞭になりにくく、結果的に処理上の誤りが軽減されます。

自計化のデメリット

自計化には、もちろんメリットばかりがあるわけではありません。メリットとデメリットを比較した場合に、ケースによってはデメリットの方が大きいこともあるため、慎重な検討が必要です。

自計化にともなって生じると考えられるデメリットは、次のようなものです。

(1)負担が大幅に増える場合がある

自計化を実施すると、記帳を行わなければならない分、実施前と比べて業務の量が著しく増えてしまう可能性があります。また、記帳業務を担当する新たな人員が必要となる場合もあり、給与などの負担が増加する可能性もあります。

(2)専門的な知識の習得に手間隙がかかる

事業運営にともなう記帳業務には、専門的な知識が不可欠です。知識を習得したり、知識を持った人材を育成したりするのには、ある程度の時間や労力が必要となるでしょう。

(3)設備投資が必要な場合がある

自計化を実施するには、まず、社内で会計処理を行えるだけの設備を整える必要があります。自社の設備状況にもよりますが、パソコンやソフトの導入に、まとまった投資が必要な場合も少なくありません。

自計化と記帳代行のどちらを選択するべき?

自計化を実施するか、記帳代行を利用するかというのは、事業を営むうえでのひとつの悩みどころでしょう。それぞれ、より向いていると考えられるのは、次のようなケースです。

●自計化

・時間や人手に余裕がある場合

・事業を拡大する等、経営方針の検討材料が必要なとき

時間や人手に余裕がある状況下では、自計化を選択することが、コストダウンに繋がります。また、事業の転換期においては、自計化を実施することで現状を正確に把握でき、将来をシミュレーションする材料が得られます。

●記帳代行

・開業して間もないなど事業に専念するべき時期

・事業が多忙な場合

記帳代行を利用することで、記帳にあてる時間や労力を省け、本業に力を入れることが可能になります。

経営状況をリアルタイムで把握したい場合は、自計化をしたほうがメリットがあります。ただ、事業が軌道に乗り、経理業務に時間も人でも割けない場合には記帳代行を選択したほうがよいといえます。自社のニーズに合わせて、サービス利用の方針を検討しましょう。

メリット・デメリットを踏まえて効率の良い自計化を

自計化は、コストカットや、自社の啓江状況の把握といったメリットがある一方で、導入の方法を誤ると、負担が増大する危険もともなうものです。よく検討せずに簡単に自計化に踏み切ってしまうと、業務に支障をきたす可能性もあるでしょう。自計化を実施した方がよいかどうかや、実施の手順、タイミングなどを含め、信頼できる税理士に相談することが、自計化を失敗しないためのカギです。

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プロのコメント

染木満則 税理士
  • 染木満則税理士事務所
  • 染木満則税理士

自計化には、すぐに自分のところの経営状態を把握することができるというメリットがあります。 最近では領収書などをスマホで撮影することで、手軽に記帳できるようなソフトも開発されています。 自計化を進めるにはとても良い環境になりつつあるといえるでしょう。 税理士と連携を取りながら自分のところにあった会計システムを作りたいものですね。

辻本弘仁 税理士

自計化をするにあたっては、会計ソフトの選択、内部統制など自計化をする以前に決めないといけないといけません。 ただし、自社の数字をすぐに把握できるので、異常値が出た時にはすぐに対応できるという大きなメリットがあります。 また、社長含めた従業員が20名以上だと自計化を進めないといけないと考えます。 規模が大きくないと自計化を進めずに顧問税理士に記帳代行をお願いする方がいいと考えます。

内海敏夫 税理士
  • 内海敏夫税理士事務所
  • 内海敏夫税理士

 事業が軌道に乗り拡大方向に向かえば、自計化するのが望ましいことはもちろんです。  ただし、オーナー様や現有メンバーで行うと時間の制約が発生し、別途パートさんを採用するのでは人件費の増加が発生することから、費用対効果を考慮し税理士等に記帳代行を依頼しているのが実情と思われます。  記帳代行を受任している税理士の立場から言わせていただければ、領収書や請求書をきちんと整理し、5W1Hについて説明できるようにメモ等を補足することが、全ての第一歩と思います。起業時は記帳代行を依頼し、その後、ある程度自計化への自信がついたら、記帳指導を受けながら移行するするのが成功へのカギではないでしょうか。

桂田隆史 税理士
  • 桂田税理士事務所【滋賀県大津市の経営に強い税理士】
  • 桂田隆史税理士

会社の経理は、今は銀行のネットバンキングのデータや、現金出納帳のCSVデータ化などの会計ソフトへの入力作業は大幅に軽減されています。当事務所の関与先様でも、通帳のデータは月末のみ会計ソフトに取り込み、出納帳データも月末のみ取り込み、日々は売掛、買掛管理作業のみというお客様も多くなってきています。そうなると、税理士事務所に経営者の方は、経営アドバイスや参謀役としての役割を求めておられます。桂田税理士事務所では、徹底した経営コンサルティングと経営者と共に5年後、10年後を考え、会社を支える税理士事務所と好評頂いてます。経営相談、コンサルティングなどお困りでしたら、桂田税理士事務所までお問合わせ下さい。

田村栄二 税理士
  • 田村栄二税理士事務所
  • 田村栄二税理士

記帳業務を自社で行うということは、経営者の方が自ら会社の損益状況や資金繰りの状況を、感覚てしてではなく、数字として正確に把握できる訳ですから、それを今後の営業姿勢や戦略に活かせるというメリットがあります。反面、その処理に時間を割くことになりますから、当然他の業務に、特に営業に関する業務についておろそかになりがちになります。ですから、いかに経理業務を効率的にかつスピーディーに行うかが大変重要なこととなります。 お金や時間があれば、自社で経理を行うメリットは以上のように大きいわけですが、開業当初や時間がない場合には、記帳代行を会計事務所に依頼し、なるべくよいコミニケーションの関係をとり、その代用をすることは、非常に有用な方法と言えます。

越川智幸 行政書士
  • 越川行政書士事務所(福岡)
  • 越川智幸行政書士

現在は、操作や入力が簡易で機能性の高い会計ソフトが多くあります。自社で会計帳簿や決算書を作成することは十分に可能です。自社で会計ソフトを導入し、記帳する場合は、財務会計だけでなく管理会計にも、ぜひ活用していただきたいと思います。 一定規模以上の中小企業者では、月次試算表、月次資金繰りや、決算書・税務申告書等の財務会計を確実にするために、会計ソフトを導入して、使用されています。会計ソフトを導入すると、記帳が簡単になり、自動的に、得意先別売上や売掛金の元帳、月次試算表、月次損益推移などをアウトプットすることができます。その上で、決算書・税務申告書まで作成することが出来ます。 会計ソフトで会計帳簿を起票するにあたり、法人税法上の取り扱い、消費税法上の課税・非課税など、専門的な税務的な疑問点があると思います。これらについては、税理士の先生など専門家へ相談されることをお勧めします。 一方で、一定規模以上の中小企業においては、管理会計も重要です。自社の成長余力がどこにあるのか、収支面、資金面で、効率を上げるにはどうしたらよいのか、その点を分析可能とするのが管理会計です。 実際、中小企業者の支援にあたり、管理会計が実施されていない、事業の区分が適切でないケースも見受けられます。ぜひ、会計ソフトを導入される際は、この点もご留意の上で、検討いただければ幸いです。 中小企業診断士・行政書士 越川智幸

秋山倫一 行政書士
  • 行政書士事務所秋山法務店
  • 秋山倫一行政書士

 自計化を推奨します。経営資源の中でも「カネ」の管理は会社の存亡に直結する重要なファクターです。  いかに少人数、多忙な会社(概ね100人以下の規模の会社を想定)においても専属的経理担当者は必要であり、会社のお金の出入り、資産状態を経営者と共有することは不可欠です。  シンプルに考えると、家計簿や子供のお小遣い帳と同じで、今月はいついくら入金があり、いついかなる支出があるのかを細大漏らさず把握することに尽きます。  具体的には中長期経営計画に基づき、当期の年間資金繰り計画表、日繰り表を作成、日々チェックを怠らないことです。それ以前に経理規程や帳簿組織を整備、使用する勘定科目等を吟味するのが前提です。例えば銀行等金融機関に照会を求められても、細かな取引の事情は内部でしかわかりません。きちんとした説明責任が果たせなければ信用問題です。  請求書、領収書等の各種帳票については、締日や支払方法ごとにファイルして、そのすべてを台帳にまとめて逐一取引の流れが瞬時にわかるようにしておくと良いでしょう。  そして月次の決算において税理士さんにアテストしていただくことにより正確な計数管理ができます。その際自社で使用する会計ソフトは、当該税理士さんが使用しているもの、あるいは仕様につき精通しているものと同じであると便宜でしょう。  再度申し上げますが、「ヒト」、「モノ」、「カネ」、「情報」という基本的かつ重要な経営資源は自社で管理すべきと考えます。  あくまで会社内部ですべきことと外注で十分なこと、この峻別は大切です。

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この記事の監修者

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