事業主が知っておきたい助成金一覧と社会保険労務士の役割

助成金・補助金

助成金とは、厚生労働省が行っている支援金を指し、経営に必要な雇用や人材育成などの活動に対して支給されるものです。もちろん、個人事業主でも申請することができます。しかし、助成金の種類は多く、受給要件や書類作成は複雑で、申請書類にミスがあると受給することができません。助成金にはどんなものがあり、自分の会社にとって、どのような助成金が受給できるのか、助成金受給のために会社が何をすべきか、助成金受給のために社会保険労務士を活用する場合のポイントも確認します。

キャリアアップ助成金とは

キャリアアップ助成金とは、非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップ等を促進するため、正社員化などの取り組みを実施した事業主に対して支給される助成金です。

キャリアアップ助成金には8つのコースがあります。

なかでも、「正社員化コース」は申請数が多く、注目度が高いです。正社員化コースは、有期契約労働者等を正規雇用労働者等に転換、または直接雇用した場合に支給される助成金です。平成30年4月1日からは、1年度1事業所あたりの支給申請上限人数が拡充され、15人から20人に変更されました。また、受給要件も追加されているので、申請の際は最新情報をよく確認するようにしましょう。

他にも、賃金規定等共通化コース、諸手当制度共通化コース、人材育成コースの内容も変更されています。

賃金規定等共通化コース、諸手当制度共通化コースは、有期契約労働者等の賃金規定、諸手当制度を正規雇用労働者と同等のものを新たに設けた際に支給される助成金です。平成30年4月1日からは、共通化した対象労働者(2人目以降)、および同時に共通化した諸手当(2つ目以降)について、助成額が上乗せされます(上限20人まで)。

人材育成コースは、人材開発支援助成金に統合されるので、新たに申請をするときには、受給要件などを確認するようにしましょう。

人材開発支援助成金とは

人材開発支援助成金は、キャリア形成促進助成金のリニューアル版となる助成制度で、 会社が労働者に対して職業訓練を実施し、人材育成制度を新たに導入した場合に、訓練にかかった費用や訓練期間中の労働者の賃金の一部を支払う仕組みです。

社員の職業能力開発を目的とした具体的な計画を策定し、計画の内容に沿って訓練を行った事業主に対して助成金が支払われます。助成金額は、訓練コースとトレーニングの内容に応じて決定されます。

例えば、特定訓練コースでOFF-JTを実施した場合は、 受講した労働者1人で1時間あたり760円、 受講にかかった経費の45% 受講した労働者1人で1時間あたり665円が支給されます。一般訓練コースでOFF-JTを実施した場合は、 受講した労働者1人で1時間あたり380円、 受講にかかった経費の30%が支給されます。

よって、人材開発支援助成金は会社と従業員の双方にプラスとなる助成金であるといえます。

職場意識改善助成金とは

職場意識改善助成金は、中小企業の事業主の方が、従業員の有休取得の推進や労働時間の削減を行い就労環境の改善を行うことで受給できます。特に、労働時間の管理を適正に行いたい場合や会社の労務管理を専門家に相談したい場合に最適です。

ただし、雇用している従業員の有休消化日数が年間13日以下で、月間の平均所定外労働時間数が10時間以上であるという2つの要件を満たす必要があります。また、職場環境改善コースの支給は、労務管理の担当者に向けた研修、従業員に向けた研修や周知・啓発、社労士等の外部の専門家によるコンサルティング、就業規則や労使協定の作成や変更、労務管理用のソフトウェア導入または更新などのうち、どれか1つを満たす必要があります。

助成金申請手続きで困ったときは社労士へ相談を

助成金手続きは事業主が自分で行うこともできますが、社労士に依頼することもできます。厚生労働省が実施する助成金の申請代行業務は、社会保険労務士の独占業務となっており、助成金を専門としている社労士もいます。そのため、社労士に依頼することで様々なメリットがあることを覚えておきましょう。

社労士は、人事・労務管理の専門家として、労働・社会保険に関するさまざまな問題や年金などの相談に応じてくれる、中小企業にとっては頼もしい存在です。助成金については、その種類も受給要件も複雑で、申請するためには多くの書類をもれなく提出する必要があります。そのため、多くの事業主または担当者の手におえず、本業を優先するために、助成金申請を諦めてしまうというケースも多いです。

そんな時、社労士に相談することで助成金に関する手続きについてはもちろん、支給できそうな助成金についてアドバイスを受けることができます。たとえ書類が準備できたとしても、不備があっては助成金を受給することはできません。上手に助成金を活用し、自社の発展、人材の育成につなげるために、社労士に助成金の申請代行を依頼することを検討してもよいでしょう。

助成金申請のポイントを知って助成金を賢く活用しよう

助成金には、人材の育成や職場環境の改善に役立つものが多いです。キャリアアップ助成金、人材開発支援助成金、職場意識改善助成金は、特におすすめの助成金といえます。

これあらの助成金の申請手続きは事業主が自分で行うことは可能です。しかし、前述の通り、助成金の種類は多く、受給要件はとても複雑です。そのため、本当は受給できるのに見逃していた、申請手続きをしていたけど不明点が多くて諦めてしまった、書類に不備があって受給できなかったといったケースも考えられます。事業主は日常業務に追われているので、助成金の事務手続きには時間を避けないのが実情です。確実な受給を目指すなら、助成金申請は社労士へまかせることを検討してもよいでしょう。

プロへ一括相談・見積もり依頼ができます!

カンタン・便利な「まとめて相談(無料)」

全国選りすぐりのプロが5000人在籍。フォームに入力して送信するだけで、実績あるプロたちから様々な回答・提案が届きます。比較検討して依頼先を選ぶことができるので、より良いプロが簡単に見つかります。

無料で一括相談・見積りする

ニューストピックスについて

\SNSでシェアしよう!/

プロのコメント

吉川直樹 社会保険労務士
  • 吉川経営労務商会
  • 吉川直樹社会保険労務士

助成金の場合、顧問の助成金をとる場合とスポット契約の場合とがあります。しかし基本的に大きな違いはありません。    法律の要件は普通に押さえられるのですが、事業主が暴力団、風俗産業の場合は欠格事由になっています。ここは最初にクリアしないといけないところです。  6か月前の解雇(会社都合離職)、労働保険料の滞納も同じです。    近年はそれ以上に添付書類が増えましたが、これがそろわないところが多いのです。出勤簿、賃金台帳、労働条件通知書、就業規則、これらに不備があると不支給になります。  これらについて社労士のいうことを守ってくれればよいのですが、税理士の言うことを聞いたり、自分勝手な処理をする事業主がいます。当然不支給です。この場合、着手金はお返しできません。    同時進行にいくつもの助成金を進めるのも失敗の元凶です(併給調整がかかる)。  

コメントする

この記事の監修者

「助成金/年金相談したい!」「未払い残業代どうしよう…」「保険手続の負担が…」 ⇒社会保険労務士へお気軽にご相談ください! ◆助成金に関わるご相談/申請代行 事業経営して...