刑事罰や社名公表も!助成金の不正受給は絶対ダメ!!

助成金・補助金

個人事業主にとって、返済の必要でない公的な助成金は重要な資金調達法の一つといわれており、個人事業主にとって嬉しい制度といえるでしょう。しかし、一方で助成金の不正受給も存在しています。不正受給をするとどのようなペナルティがあるのかについてご紹介します。

かなりの金額を受給できる可能性がある

助成金制度というのは、雇用の促進や非正規社員の正規化、社内の労働環境を改善することで受けられるものが多いです。

借入金と違って、助成金は返済する義務がありませんので、中小企業にとって大きな資金源となりうると言えるでしょう。たとえば、キャリアアップ助成金制度などでは、年間で15人まで対象にすることができます。すると、受けられる助成金は最大で1,000万円にも上ることがあるのです。さらに、この助成金は企業規模や業種によって制限がありませんので、うまく活用すれば大きなメリットとなります。

また、雇用調整助成金など、不況下での雇用を維持するための助成金も人気があります。ただし、大きな額を受給できるからこそ、悲しいことにその制度を不正に利用しようと考える企業が出てくることもあるようです。

近年の不正受給の金額

2017年1月に厚生労働省が発表した情報によると、厚生労働省が制定する雇用調整助成金を悪用している企業が複数存在しており、2013年度から2015年度の3年間にかけて約54億3,000万円の助成金が不正受給されているという事実がありました。

基本的に、不正受給をされた場合、企業へその返還を指示するのですが、そのうちの約4割の約23億8,500万円が未だに返還されていないようです。厚生労働省としては、さらなる不正防止や返還請求の強化をしていくとしておりますが、企業のための助成金制度をこのような形で悪用するのは非常に嘆かわしいものです。ちなみに、この3年間で21万6,762件の雇用調整助成金の受給申請のうち379件が不正受給の申請だとされているようです。

刑事罰を受ける可能性がある

不正受給というのは、「手違いだった」、「認識違いだった」で逃れることができるようなことではありません。特に悪質な手口であると判断された場合、助成金を管理している労働局などから、詐欺罪で刑事告発を受ける可能性があります。過去、実際に不正受給を行った企業が刑事告発をされて、刑事罰を受けているケースがあります。その時には、詐欺罪によって懲役1年6カ月の判決を受けており、社会的にも非常に大きな制裁であると言えるでしょう。

さらに、近年は不正受給に対する調査というのは非常に厳しくなっています。先に挙げたように今後この調査はより一層厳しさを増していくことでしょう。場合によっては、会計監査院の調査を受けることもあります。そのため決して軽い気持ちで不正受給を使用などと考えないようにしてください。

助成金の活用禁止や社名公表も

また、不正受給をして万が一刑事告訴されなかったとしても、それ以外にも罰則は存在します。まず、不正受給をした助成金を返還するように請求されます。これは、返還されるまで請求が止まることはなく、無視していると刑事告訴される可能性があります。

また、不正受給を行ったことを「公表」される可能性があり、世間的に不正受給を行ったことが知らされる可能性があります。

そして、不正受給を行ったことが発覚すると、少なくとも発覚から3年間はそのほかの助成金制度を利用することができなくなってしまいます。軽い気持ちで助成金の不正受給をすることで、将来的に受け取ることができる助成金を受け取るチャンスを逃してしまうことにもなります。リスクを冒して不正受給をするメリットというのはないと言えるでしょう。

事業主としての信頼失墜の危険性も

不正受給をすることによって、さまざまなリスクをご紹介してきました。その中でも、刑事罰以外でもっとも懸念されることは、信頼の低下です。先ほどご紹介したように、不正受給が発覚すると企業名が公表されてしまいます。公表されると、自分が関係している他の企業にも知れ渡ってしまいます。事業としての信頼は失墜してしまうことでしょう。取引というのは、信頼関係あって初めて成り立つものです。不正受給をするような会社とまともな取引ができると思われなくなってしまうでしょう。

失った信頼を取り戻すためには、不正受給をした金額以上の努力と時間が必要となります。出来心でやってしまった不正受給によって、最悪の場合は倒産の危機に瀕してしまう可能性があります。そのような事態を引き起こさないためにも、助成金を不正受給するなどと絶対に考えないようにしましょう。

助成金の不正受給は絶対ダメです!

今回ご紹介したように、助成金の不正受給は非常に重要な課題として問題視されています。今後、助成金受給に対する調査や審査はより一層厳しくなるでしょう。不正受給を行うことで、社名公表による信頼失墜や最悪の場合刑事罰を受ける可能性もあります。不正受給は絶対にすることのないようにしましょう。

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大澤直樹 社会保険労務士
この記事の監修者
大澤直樹社会保険労務士
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プロのコメント

吉川直樹 社会保険労務士
  • 吉川経営労務商会
  • 吉川直樹社会保険労務士

 事業主にとっては同じ顧問でも、税理士と社労士ではその向いているベクトルが正反対ということもあります。税理士のアドを取り入れると、残念ながら助成金は不支給ということが現にあります。税務的には全く問題なくとも、労務管理的には大問題ということがあるからです(賃金カットと不利益変更など)。その意味では関係者同士よく話し合っていく必要があります。   スポット契約の社労士、コンサルは日ごろから見ていないので、適当にやっつけ仕事でしてしまうことがあります。   会社はやってはいけないこと、やってもよいことがわかりませんので、自前で助成金をとることはお勧めできません。架空雇用、二重帳簿などが最たるものですが、立小便でもするような感覚でいる事業主もいることは事実です。  最近はパズル的要素も強く、ハードル自体極めて高くなり、登録の古い顧問社労士では考え方自体古く、全く歯が立ちません。  様式の裏面に要件が注書きしてあることもあり、そんなものは捨て紙にしてしまうものですが、大事な欠格要件が書いてあったりするものです。     出勤簿、賃金台帳、労働条件通知書など添付資料も極めて重要です。割増賃金、労働時間、賃金など、ここをつつかれて不支給ということが結構あります。できれば社労士とも顧問契約をして、日ごろからしっかり賃金体系を飲みこんでおいてもらうほうがよいでしょう。過去に遡って変えることはできませんから。  

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