「仕事を辞めたい」と言われたときの経営者の考え方

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スタッフから「仕事を辞めたい」と言われたら、経営者は何に気をつける必要があるのでしょうか。経営者側から見て退職手続きをスムーズに遂行することは、トラブルを防止するだけでなく、将来的なリスクをあらかじめ摘むことに繋がります。退職に潜むトラブルと、その対処法について解説します。

スタッフから「仕事を辞めたい」と言われたら、経営者として気をつけたいポイントがいくつかあります。感情的にならずにスタッフを気持ち良く送り出すためにも、起こりうるトラブルとその対処法について知っておきましょう。

スタッフに「仕事を辞めたい」といわれた時の初動対応

スタッフに仕事を辞めたいといわれたときは、まず要旨をしっかりと聞くことが大切です。

「逃げるのか」「考え直してくれ」と感情的になる人もいますが、まったくの逆効果です。希望を聞き、退職日などスケジュールを踏まえたうえで、再度面談の機会を設定します。多くの場合、第一報を聞くのは直属の上司になると思いますが、再面談は人事担当者と一緒に対応するようにしましょう。

特に退職希望者が何か不満を抱えている場合は、会社に対しての要望やメッセージが発せられる場合もあります。退職希望者が抱えている不満、会社に対しての要望やメッセージの相手先が直属の上司だとすると、その面談に上司が同席していると、退職希望者が委縮してしまい、言いたいことが言えないということになりかねません。その場合は、上司の代わりに他の担当者と面談する等の対応を取る必要があります。退職届など所定の手続きもここで抜かりなく済ませておくようにしましょう。

退職事案を「トラブル」にしないために

前向きな独立やキャリアチェンジでもない限り、退職はトラブルの温床です。トラブルにしないためには、退職を受け入れる姿勢を崩さずに、淡々とこなすことが大切です。最後に慰労の言葉をかけることは大切ですが、それはもう少し後の段階にまわし、顧客や業務の引き継ぎを進めるようにしましょう。

例えば、退職が決定した段階で、退職予定者と後任を一緒に動かせて、スムーズに引き継げるようにすると安心です。顧客へ会社のマイナス点を吹聴する動きも防止でき、顧客側としても担当の変更を受け入れやすくなります。

退職者のSNSやインターネット掲示板への書き込みに対する企業の対策について

最近では、SNSやインターネットの掲示板にも注意をする必要があります。従業員のSNSやインターネットの掲示板等での書き込みによって、記事が拡散し、その記事が事実と異なっていたとしても、それを読んだ人達の受け取り方によって企業イメージが歪められ、企業価値を損なう、あるいは、不買行動等の実損害に繋がることも事実です。

それらは、ゲーム感覚で、思ったことをそのまま投稿できてしまうことから、個別に対応することは難しく、事後の対応になってしまうことがほとんどです。そういったことにならないようには、どうすればいいのか、頭を悩ませる経営者も多いと思います。

実は簡単で「SNSやインターネットの掲示板には、こういうことを書いてはいけません」ということを、従業員に教えることで抑えることはできます。まず、就業規則の服務規律、罰則の規定を整備すること、それを従業員全員に、文書でも構いませんが、ポスター等を使って分かりやすく周知するとなお良いでしょう。あとは、1年に少なくとも1回は、従業員全員にSNS教育を行うことで、会社としてのSNS対策方針が従業員へと浸透していきます。

それでも、出てしまうことに対しては、個別に対応していくしかありませんが、少なくとも対外的にはこういった取り組みを実施しているということをアピールすることはできます。

仕事を辞めても将来のお客さまに?

一方で、退職者は「将来のお客様」となる可能性があります。

退職者とトラブルになることは、見込み客を減らすことに直結します。特に退職者が一定のキャリアを積んでいる場合は「その後ろには100人の人間がいる」と言われるほどバックグラウンドは強力です。そのため、退職の意思を受け入れ、スムーズに引き継ぎを行い、円満な退職を実現することは、将来の顧客獲得に繋がるプロセスだと思って抜かりなく進めるようにしましょう。

「仕事を辞めたい」と言われたときの対応まとめ

スタッフから「仕事を辞めたい」といわれたときに発生する可能性のあるトラブルについてまとめました。退職は届出書類のやり取りだけではなく、思わぬトラブルに繋がることもあります。実際に退職希望者を感情のままに追い詰め、事業に悪影響を与えた経営者の話を聞くことも多いです。ましてや今はSNSの時代。小さなトラブルが、一気に世界中に広まるリスクがあります。退職者は「将来のお客さま」ということを忘れずに、スムーズに手続きを進めるようにしましょう。

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プロのコメント

遠山智弘 行政書士
  • 行政書士遠山法務事務所
  • 遠山智弘行政書士

お世話になります。 行政書士遠山法務事務所の遠山です。 私も士業でございまして、イコール経営者でもあります。 私の事務所の補助者が「仕事を辞めたいと」言われた場合、経営者として、どの様に受け止め、しっかりと、ゆっくりと相手の話を聞き、お互いが納得したうえで、これからを考えるのが一番大切なのではないかと思います。 行政書士業務とは離れたコメントとなりますが、経営者と補助者ではなく、同じ人間として、同じ目線で、本音をぶつけ合えば、きっと、円満な道が開けるのではと感じております。 私の事務所で日々業務を行って頂いている、大切な人材でもあり、またお金に枯れることのできない財産でもあります。 行政書士としてのお話をするつもりでありましたが、一人一人の個性を大切にしてあげることが、会社としての、また一経営者としての使命ではないでしょうか。 今回は感情論になって、申し訳ございませんでした。 皆様お一人お一人が健やかに、活気のある職場づくりをお手伝いをさせて頂けましたら幸いです。

秋山倫一 行政書士
  • 行政書士事務所秋山法務店
  • 秋山倫一行政書士

 残留するのも去りゆくのも全て自己責任です。面談してその真意を確認し、不満、個別具体的事情を本人が話してくれれば真摯に受け止め、残留の可能性が見出せれば検討すれば良いと思います。  概ね退職の意思を表明する時、既に退職の意思は固まっております。ならばその当人が爾後不快な思いをせず、可及的速やかに退職事務手続を済ませてあげるのがスマートな会社のやり方ではないでしょうか。  退職にあたり、「機密保持契約書」の締結は不可欠です。そのテのサイトへのあらぬ書込み、誹謗中傷など断じて許さぬ内容で縛りをかけておくべきと考えます。仮に当該会社がブラック企業で、とんでもない処遇により退職せざるを得ない状況に本人が追い込まれたとしても然りです。  もしそのような事情があったにせよ、それは別の正攻法で解決すべき問題だからです。  かような事例に迅速、適切に対処することがまたコンプライアンスの具現の一場面と言えます。

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この記事の監修者

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