離婚時と離婚後の約束事は書面に残そう!離婚協議書のいろは

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厚生労働省の統計によれば、平成20年度の離婚件数はおよそ25万組でした。協議離婚の割合は87.8%、裁判離婚は12.2%となっています。離婚という性質上、子どものあるなしにかかわらず、さまざまな話し合いが必要となってきます。また、その際に決めたことを守るためにも記録として残すことが重要となってきます。離婚協議書について解説します。

そもそも離婚協議書とは?

離婚協議書とは協議離婚の際の夫婦間の取り決めを書き記した契約書面です。離婚の際には、財産や子どものことなど、さまざまな話し合いが必要となってきますが、後々トラブルにならないように、話し合ったことを書面として残すことが大切です。書面にすることで、トラブルがあった際の証拠として提示することが可能となります。

離婚協議書の表題は必ずしも「離婚協議書」である必要はなく、「契約書」や「同意書」といった文言でもかまいません。ただし、公正証書にした場合は「離婚給付等契約書」といった言葉を用います。また、記載する内容に関しては特に決められていないため自由に作成することが可能です。

目的としては、「夫婦間の取り決めの確認」がメインとなります。離婚協議書に限らず口約束は曖昧であるだけではなく証拠が残りません。離婚の際の取り決めは書面として残すようにしましょう。

離婚協議書に記載すべき事項

離婚協議書に記載すべき事項は法的に定められているわけではありません。そのため、夫婦ならではの取り決めを記載することも可能です。ただし、一般的に下記の件に関しては明確に記載すべきといわれています。

・離婚の合意

両者が離婚に合意したことを記載します。

・財産分与

 夫婦で築いた財産を分与することをいいます。現金・預貯金・不動産・有価証券・生命保険・住宅ローンの支払いなど、お金にまつわることをマイナスの財産のことも含めて取り決めます。

・慰謝料

夫婦のどちらか一方が不倫やDVなど精神的苦痛を与える行いをした際に支払うものです。支払い金額・支払い回数・支払い時期などを取り決めます。

・親権者・養育費

子どもがいる場合、親権者を決める必要があります。親権者・監護権者をどちらにするのか、また、養育費の金額や支払い方法など詳細に記載します。

・面接交渉

親権を失ったほうが子どもに会うための取り決めです。面接の頻度や面接時間・日時、面接の機会を持つための手段、電話やメールに関してなど面接に関わることを記載します。

離婚協議書作成のメリットと注意点

離婚協議書を作成することにより、お互いに話し合って決めた内容が書面として残ります。また、書面に残すことで記載した事項を守ろうとする可能性が高くなるでしょう。ただし、記載事項に不備がないように十分に検討して作成する必要があります。特に、財産や親権に関することは、あらゆるケースを想定して抜けのないように記載しましょう。また、せっかく作成した書類を紛失してしまうといったことも考えられます。離婚協議書の管理に関しても十分に留意する必要があります。

離婚協議書は当事者同士で作成しても問題ありませんが、専門的な知識がないと、どうしても不十分なものになってしまいがちです。専門家に作成してもらったり公正証書として作成してもらったりすることをおすすめします。

公正証書として作成する

公正証書の場合、離婚協議書の作成に公証人が立ち会っていること、また公文書であることから、証拠としての能力が高くなります。トラブルが起こった際にも有効であり、一方が約束していた金銭を支払わなかった場合は金銭の回収・差し押さえが可能となります。とりわけ、金銭に関することは、金額や支払日などを明確にし、公正証書として残すようにしましょう。公正証書の作成は基本的には離婚の届け出を行う前に作成します。

たとえば、離婚協議書に記載してあるにもかかわらず養育費などの支払いを怠った場合は裁判所の強制執行(※強制執行できるのは一定額の金銭のみ)が可能となり、離婚給付の安全性を高めます。離婚協議書が公正証書ではない場合は裁判所の判断をあおぐ必要があります。

ただし、公正証書を作成するためには夫婦で公証役場へ出頭しなければなりません。また、公証人が綿密なチェックを行うため作成にも時間を要します。もちろん、それに伴う費用も発生します。

トラブルを避けるためにも、離婚協議書はしっかりと残そう

離婚協議書は後々のトラブルを防ぐため、また、場合によっては生活を維持するために大切な取り決めです。夫婦間でよく話し合い、抜けのない書類を作成しましょう。また、しっかりと話し合いをもって決めたことでも守らなければ何の意味もありません。

離婚協議書を公正証書とすることで、その効力が高まり強制執行も可能となります。離婚という別れであり話し合いが難しいケースも多々あるかもしれませんが、両者で詳細に検討し必要に応じて公正証書として残すようにしましょう。

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この記事の監修者

はじめまして、行政書士の遠山智弘(とおやま ともひろ)です。 行政書士は官公署(役所など)に提出する書類作成の代行をはじめ、契約書や遺言書作成のプロです。 建設業許可申請や...

プロのコメント

片岡弘明 行政書士
  • 片岡行政書士法務事務所
  • 片岡弘明行政書士

離婚について双方協議するとは、すでに両者の信頼関係が破たんしているのにも関わらず、今後の生活設計について話し合うということです。簡単に聞こえますが、実態としては精神的には結構タフな状況です。離婚に向けた配偶者との交渉は感情的になりがちで、相手もその真意を素直に受け取ってくれるかもわかりません。また、客観的にみて自分あるいは相手の主張が妥当か否かは本人だけでは判断できないところもあります。まず、配偶者と離婚協議に入る前に、専門家のアドバイスを受けながら夫婦間で取り決めるべき内容を離婚協議書案という形でまとめ上げ、配偶者に提出することが最善です。口頭でのやり取りはあまりおすすめしません。書面でやり取りすることが無用の衝突を回避します。一見、面倒なようですが、経験上それが最短で精神的な負担も軽い方法だと思います。そして、最終的に公正証書として離婚協議書を締結するようにしましょう。

木原奈緒美 行政書士
  • 行政書士きはらなおみ事務所
  • 木原奈緒美行政書士

【離婚協議書作成は専門家に!】 離婚は夫婦の合意と届出があればできてしまいます。 ある意味、とても簡単にできてしまうもの。 そして離婚を決意したお二人にとっては一日も早く別々の生活をしたい、顔も見たくない、と思うのは当然のことではあります。 だからといって話し合いもそこそこに、あるいは話し合いはしたが、「話し合いっぱなし」で別れてしまっては、必ず後で後悔します。 特に、金銭面での問題は、離婚後の生活にも大きく影響を与えるもの。 話し合ったことはかならず文書に残して、きちんと「証拠」を残しておくべきでしょう。 他の契約書類もそうですが、離婚協議書にも、こうしなければいけないといった決まりはありません。 夫婦で約束したことを書いていけばいいわけなので、肩ひじ張って構える必要はありません。 ですが、言い回しがあいまいだったり、条文同士の整合性がとれていなかったりといったことがあると、せっかく作った文書が力を発揮しなくなってしまうことにもなりかねません。 ネットで検索すると多くのひな形がヒットしますので、それらを利用して作ることは可能です。 自分のこれからの人生、ひな形に当てはめるだけでいいと考えるならそれで結構。 ですが、きちんとしたものを作りたい、と考えるのであれば、専門家に任せるのが一番です。

荻原正樹 司法書士
  • 司法書士おぎわら相続登記事務所秋田
  • 荻原正樹司法書士

離婚協議書は公正証書で作成されることをお勧めいたします。その理由は、万が一支払が滞った時にスムーズに強制執行の手続に入れるためです。公証役場で離婚協議書を作成するにしてもその内容をどのようなものにするのかは当事者で事前に協議する必用があります。その際当事務所までどのような内容にすべきかご相談いただければ話し合うべき項目についてアドバイス差し上げることが可能です。その後、公証人との打ち合わせも代行いたします。また、協議がまとまらなかった場合の調停申立書の作成、支払が滞った場合の強制執行の書類作成、離婚成立後の合意内容の変更につきましても当方までご相談ください。

吉川直樹 社会保険労務士
  • 吉川経営労務商会
  • 吉川直樹社会保険労務士

 協議書とはある意味双方が譲歩して条項を作成します。その意味で外交交渉といっしょで、妥協的産物でもあります。公証人が間に入ることで公権的確定がなされるといえます(法的拘束力とはまた別)。  翻って、契約書類には、必要的記載事項、相対的記載事項、任意的記載事項、無益的記載事項があります。絶対に欠くことのできない条項、書けば有効な条項、書いても書かなくても効力に関係ない条項、書いても無効な条項、等です。契約書を作成するときも、鑑定するときも、相手方から送られた草稿を読み解くときも、どちらに有利になるのか、よくよく考えながら、相手に騙されないようにする必要があります。   あまりに一方に不利な条項は、一方の無思慮窮迫に乗じたものとして、それ自体無効(例文解釈)とすることもあり得ます。  離婚の場合、女性がわが夫の面接交渉権を認めないことがありますが、これなども行き過ぎた権利主張でしょう。専門家が入らずに友人たち会いのもと離婚の話し合いが進められることはよくあります。やはり家族関係は法の規制になじみにくいことがあります。事実認定が90%、法の適用は10%くらいでしょう。

森島正彦 弁護士
  • さくらリーガル法律事務所
  • 森島正彦弁護士

【協議離婚書作成は,弁護士に依頼するのが最善です】  離婚に際して取り決めるべき事項は,多い上,夫婦によって様々です。また,取り決める内容も抽象的に決めた方が無難な場合もあれば,事細かく取り決めた方が良い場合もあり,事案によっても様々です。  例えば,養育費は,標準算定表と呼ばれるもので簡単に計算ができますが,この方法だけでは特殊な要素による減額要素・増額要素などが反映されません。  この点,弁護士に相談すれば,そういった点を考慮した協議書の作成が可能です。そういった総合的かつ多角的な判断は,高度な法律知識と経験が必要になりますので,費用を惜しんで後で後悔するより一定の費用を投じて弁護士に作成を依頼された方が安心安全です。

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