需要が急増するペットタクシー! 導入を考えている方必見の申請手順まとめ

少子化に伴いペットが家族の一員という考え方は、広く浸透しています。しかし法の上ではその取り扱いに、厳密な違いがあるのも事実です。ペットタクシーの開業を目指している場合には、法律に関する知識や実際の手続きについて確認しておかなければなりません。ペットタクシー開業に向けて、知っておくべき許認可とポイントを解説していきます。

ペットタクシーの区分と関連する法律

トリミングサロンや動物病院、ペットショップなどで、ペットタクシーを導入している店舗が増えています。運賃を受け取ってペットを目的地まで送迎するサービスで、自家用車を持たない方、複数のペットを飼育している方、高齢でペットの送迎が困難な方などに利用されています。

「タクシー」という名称ではありますが、ペットタクシーは一般的な人を乗せるタクシー業者とは扱いが異なります。いくらわが子同然であっても、法律上、ペットは「物」とされています。ペットタクシーの開業にあたっては、旅客業ではなく貨物運送事業の許可が必要です。

また、ペットタクシーは、貨物自動車運送事業法という法律に従って運用されます。この法律の中では、一般貨物自動車運送業と特定貨物自動車運送事業、貨物軽自動車運送業という3つの事業形態が規定されています。ペットタクシーで開業する場合には、一般貨物自動車運送業か貨物軽自動車運送業のいずれかを選択します。一般貨物自動車運送業は容量の大きい自動車を利用することができますが、5台以上が必要となり、認可条件が厳しくなります。貨物軽自動車運送業であれば、軽ワゴン1台あれば開業が可能な上、手続きも比較的楽です。

ペットタクシーを開業する際の必要資格

貨物軽自動車運送業でのペットタクシーの開業について必要となるのは、貨物運送業の開業許可と第1種運転免許証(普通免許)のみです。ペットタクシーはペットの移動手段としてのみ利用されるため、ペットホテルのような「動物取扱業」ではありません。したがって「第一種動物取扱業登録」の保健所への届出も必要ありません。ただし、ペットタクシー以外に一時預かりやその他ペット関連のサービスを同時に提供する場合には、運送業と動物取扱業の登録を両方行わなければなりません。

貨物軽自動車運送業で届け出る場合には、基本的には軽自動車1台で開業可能です。ただし、一般的に4ナンバーと呼ばれる商用車両でなければ営業用として利用できません。

その他、駐車場や営業所、損害保険の加入などは必要ですが、新規事業立ち上げとしては最小限の負担で開業できるのが魅力です。

ペットタクシー開業の具体的な手続きとそれにかかる時間

実際にペットタクシー開業の届出を行うために、まず書類の準備を開始します。運輸省のホームページより「貨物軽自動車運送事業経営届出書」、「運賃料金設定届出書」、「運賃料金表」、「事業用自動車等連絡書」がダウンロードできます。提出用と控えを、それぞれ2部ずつ準備しておきましょう。さらに車検証のコピーが必要です。

書類に所定の項目を記載し、押印を行ったら、国土交通省管轄の各地の運輸支局にある貨物担当窓口に書類を提出します。

運輸支局での審査が通過した後、連絡書が発行されます。軽自動車検査協会へ行き、営業ナンバー変更の手続きを行います。商用車以外の5ナンバーの車両では、営業ナンバーをもらうことができないので、開業のために車を購入する際には十分に気を付けるようにしてください。

届出から手続きがすべて完了するまで、書類の不備などがなければ30日程度といわれています。一般貨物自動車運送業と比較すると、認可の条件がゆるく、ほとんどの場合は問題なく開業にこぎつけるようです。

ペットショップ、ペットホテルでは、送迎サービスを行っているところも多いようです。この場合、別料金でペット送迎費用を徴収するのは違法となります。ペットを輸送して料金を受け取った場合、貨物運送業の届出がなければ、無認可事業として罪に問われます。具体的には、「3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金」となります。

また、飼い主を同乗させるのも違法です。人間を一緒に運ぶ場合には、「一般乗用旅客自動車運送事業許可」の申請が必要となります。料金を取らずに同乗させるという例もありますが、貨物自動車運送事業法では認められていません。

ペットタクシーは貨物運送業ではありますが、相手は生き物です。万が一の場合について、十分に考慮しておく必要があります。輸送中や作業中、引き渡しといったあらゆるシーンを対象にした損害保険を備える他、顧客との契約書類を整備し、お互いの合意を確認できるようにしておきます。

綿密な事前チェックでスムーズな開業を

ペット関連の事業の中でも、ペットタクシーは資金や手続きの面でも参入のしやすい業種です。しかし、事前に必要な許認可手続きをしていないと、違法行為として罪に問われる可能性もあります。また、ペットタクシーの業務範囲に沿った適切な事業運営は、着実に業績を伸ばすための大きなポイントとなります。容易に開業できるからといって、事前の準備を怠るとトラブルの要因となりかねません。素人がすべてを完璧に準備するのは、なかなかハードルが高い仕事です。法的な不備を防止するためには、プロの手を借りて手続きを行うのがもっとも安全策といえるでしょう。

ニューストピックスについて

\SNSでシェアしよう!/

この記事の監修者

「誰に相談すればいいの?」 『私にご相談ください!』 相談内容ナンバー1は、 「誰に相談すればいいかがわからない。」 です。 私がお手伝いできることであれ...

プロのコメント

片岡弘明 行政書士
  • 片岡行政書士法務事務所
  • 片岡弘明行政書士

ペット好きの運転手さんが軽自動車による貨物事業としてペットタクシーを開始した事例を知っています。しかし、ただ単にお客さんと獣医さん、あるいはペットホテルなどとのペットの送迎だけではお客さんのニーズに対応できず、診察後獣医さんへお迎えに行き、お客さんが希望するお届け時間まで一時的に預かるサービスも開始しました。最初は第1種動物取扱業としての登録が必要ということを知らないままを開始してしまい、同業者からの指摘で慌てて保健所に足を運んだとのことです。この間、預かりを中断したためお客さんを失うことにもなってしまったとのことです。ペットタクシーを開始するときは、やはり第1種動物取扱業の登録まで視野に入れて事業を開始することをおすすめいたします

経営者・オーナーの方へ

経営のお悩みを無料で専門家に一括相談!

  • 5000人の士業から条件にあった士業を自動選択!
  • 一括見積りで費用と対応を比較可能!
  • まとめて依頼できるから、あなたのお悩みをスピーディに解決!
無料で一括相談・見積りする

士業の方へ

記事にコメントを入れてアピールしませんか?

  • サイト内各所投稿数ランキングに、貴事務所が表示されるようになります。
  • 自分のページの情報量も増えて、より上位に表示されるようになります。
※プロ会員登録がまだの方は無料でご登録可能です。
コメントする