2020年までに急増の予感! 民泊を始めるなら知っておきたい法知識

不動産トラブル

増加する訪日外国人や東京オリンピック開催に向けて、民泊の開業を検討する動きがますます加速しています。1部屋からでも開業できる民泊は、手軽なビジネスと思われていますが、無許可営業や法基準を満たしていないことで摘発される例も多く見られます。2017年には旅館業法が改正され、違法民泊の罰則が強化されています。ビジネスとして民泊経営を行うための、許認可の知識と注意点を見ていきましょう。

民泊を始めるには「許可」が必要です!

「民泊」は旅館やホテルのような宿泊施設ではない、民家に泊まることを指します。インターネットの普及により個人が民泊事業に参入する例が急増したことを受け、厚生労働省は民泊サービスの定義づけを次のように行っています。

“「民泊サービス」とは一般には、自宅の一部や空き別荘、マンションの空室などを活用して宿泊サービスを提供するもの。”

民泊サービスを開業するにあたり、現在の時点では旅館業法に基づいた簡易宿泊営業の許可を取得する必要があります。申請は各都道府県の保険所に提出し、施設検査を受けて許可が下りれば営業が可能となります。

旅館業法とは、宿泊料を受け取って人を泊めるサービスを繰り返し行う場合に適用される法律です。例え自宅を一部開放した民泊であっても、許可を受ける必要があります。

住宅宿泊事業法(民泊新法)とは

訪日外国人の増加による宿泊施設の不足、人口減による空き家問題などの解決を目指して、政府は民泊に関する規制緩和をすすめています。従来の旅館業法では、民泊ビジネスの実情にそぐわない面もあります。例えば簡易宿所営業の定義として「宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を主とする施設」とされており、「1名しか宿泊できない客室のみの施設は該当しない」とあります。その他にも細かな点で実際の民泊ビジネスとの間にズレが見られ、現行の法律では対応しきれなくなりました。

そこで今後もますます盛んになると思われる民泊ビジネスに適応する法律として、新たに住宅宿泊事業法(民泊新法)が発布されます。2017年6月にはすでに成立しており、施行日を2018年6月15日と閣議決定されました。同時に住宅宿泊事業法施行令なども公布され、ガイドラインの作成も進められています。

この民泊新法では、これまであった居室床面積についての項目などが削除される一方で営業日数が年間180日に制限されること、許可や認定ではなく都道府県知事への届出制となることなどの違いが見られます。

ただし、国家戦略特別区域である東京都大田区、新潟市、大阪府、大阪市、北九州市については、特区民泊(国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業)として旅館業法の規制が除外されています。民泊新法とは異なる条件が設定されているので注意しましょう。

民泊サービスの営業許可を取得するまでの流れ

民泊サービスを開業する際には、都道府県の保健所に許可申請を行います。事前相談を求める自治体が多いので、旅館業法担当窓口に連絡してみると良いでしょう。

相談の際に施設の所在地が記載されている書類、施設の図面などを提示する必要があります。建築基準法や消防法への適合について確認が行われるため、予め詳細をチェックしておくようにしてください。また、マンションの一室を利用する場合には、管理規約で民泊・また貸しが禁止されていないことも条件となります。

許可申請の際にはこの他に許可申請書と、自治体が定める書類を準備しなければなりません。事前相談のときにきちんと聞いておくと、2度手間にならずに済みます。

保健所の許可が下りれば、営業は可能となります。各自治体にもよりますが、平均的には手続き開始から数週間程度を要します。

無許可で民泊サービスを行うとどうなるの?

法律では有料で部屋を貸し出すなどの民泊サービスについての禁止事項はありません。誰でも民泊サービスを行うことは可能ですが、無許可営業は違法です。

旅館業法に違反した場合の罰則は、“半年以下の懲役または3万円以下の罰金”とされています。インターネットで告知して継続的に宿泊者を募り料金を受け取れば、ビジネスとして扱われ、旅館業法の適用範囲となります。

民泊サービスは必ずしも自分が所有する部屋でなくても、開業は可能です。ただし賃貸借契約で、また貸し・旅館業営業が許可されている場合に限ります。また分譲マンションで自分が所有者であっても、マンションの管理規約で民泊サービスに対する用途が制限されていれば営業はできません。確認せずに開業すると、契約違反や規約違反で訴えられる恐れがあります。

その他、民泊開業の許可を得られないケースとしては、施設が立地する地域が旅館業禁止エリアである場合や、建物が構造基準外である場合、公衆衛生上不適当と判断される場合などがあります。

民泊サービスにあたる?あたらない?その境界線とは

例えば土日のみ、あるいは週の決まった曜日だけ宿泊サービスを提供するという場合でも、民泊サービスとして許認可が必要です。自宅の一部であろうと部屋の隅であろうと、宿泊場所の提供が繰り返し行われ、その対価を受け取るのならば民泊ビジネスです。

ただし「イベント民泊」といわれる、年に1回あるいは数回に限り自治体から依頼を受けて宿泊場所を提供するといったものについては、この範疇ではありません。

また、インターネットを介して知り合った外国人を宿泊させ、お礼にお金を受け取った場合には、反復性がなければ友人への好意となり、ビジネスとは見なされません。同じく、知人や友人を定期的に泊めるのは、広く不特定多数から客を募るのとは違います。“社会性をもって継続反復”されていることが、民泊サービスの定義となります。

交流やイベントが宿泊する目的の場合であっても、一定の頻度で反復されており、何らかの名目で料金を徴収しているのであれば、民泊サービスとして旅館業法に抵触する可能性があります。

民泊開業には十分な知識と備えが必要

訪日外国人の増加や国際的なイベント開催が継続する中、民泊事業は誰でも参入可能な、魅力あるビジネスと考えられます。しかし新しい法律の施行などもあり、見落としなく書類整備を進め、無事に開業するのは簡単とはいえません。現行の旅館業法の認可、また新法下での届出についても、専門家の力を借りるのがもっとも効率的です。プロの知識があれば不備なく準備ができる上、開業後のトラブルについても極力回避できそうです。

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この記事の監修者

ひとりで抱えて、行き詰まっていませんか? 皇居近くに事務所を構える経営のパートナー! ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ 「会社の...

プロのコメント

片岡弘明 行政書士
  • 片岡行政書士法務事務所
  • 片岡弘明行政書士

今までの民泊の形態として、投資用マンションなどを活用した副業というのがあります。しかし、家主不在という状況が旅館業法違反、あるいは近隣住民とのトラブルを多々生んできたのが実情です。これに対応すべく新法では、家主不在型の住宅宿泊事業者には、住宅宿泊管理業者に衛生確保、騒音防止苦情対応、宿泊名簿の作成備え置きなど「適正な遂行の措置」を委託することが義務付けられています。また、年間180日までの提供制限もあります。一概に規制緩和とは言えない部分が大きいものがあります。  当事務所では、住宅宿泊事業法についてガイダンスを行っております。ラグビーワールドカップ、東京五輪などビッグイベント目前です。大きく変化した民泊の在り方を正しく理解し、都道府県知事への届出等をすることが必要です。

秋山倫一 行政書士
  • 行政書士事務所秋山法務店
  • 秋山倫一行政書士

「民泊」のオーナーシップにご興味をお持ちの方に許認可以前の私見を述べます。 東京オリンピック開催を前に、新しいビジネスチャンスとして取沙汰されておりますが、所詮一過性のイベントに過ぎません。 民泊オーナーになって一生分稼げますか?昨今問題となっているアパート経営と同じ末路を辿る事を危惧します。 不動産、ディベロッパーからの口添で多大な融資を受け、当該物件の新築、リフォーム。想定外の不振から賃料引下げ、空室だらけ。 民泊対象は外国人。その外国人はあなたが想像しているような、常識的、良心的な人たちばかりですか? 連泊、常宿として、公序良俗違反しませんか?ひとたびトラブルを起こしたとき、少なくとも英語で対処できますか?その方の母国の法令、慣習等理解していますか? あなた個人レベルでの国際交流などという大義名分は全く余計な話です。ビジネスとしても然り。 本件あらゆる面から慎重な検討が必要と考えます。

安藤光晴 行政書士
  • みらい行政書士事務所
  • 安藤光晴行政書士

民泊と言えども事業なので収支やコンプライアンス面をしっかりご検討いただいたうえで、法的な問題をどうクリアしていくかを考えていくことが大事になるかと思います。 住宅宿泊事業法においても家主不在型であれば消防設備の整備や営業日数面などのハードルはありますが、今までの賃貸経営でうまくいっていないオーナーさんや空き家の活用に困っている方などには一つのビジネスチャンス(手段)になるかと思います。

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