「公益法人」って何だろう? 認定の条件とメリットは?

コンサルティング

平成20年12月に施行された「公益法人制度改革関連三法」によって開始された公益法人制度。メリットがあるなら移行を検討したいと考えても、そもそも制度についてよく分からないという場合も多いでしょう。ここでは、公益法人とは何かと併せて、認定を受けるための要件やメリット・デメリットをご説明します。

公益法人って何だろう?

「公益法人(公益社団法人・公益財団法人)」とは、一般法人(一般社団法人・一般財団法人)のうち第三者委員会が公益性を審査したのちに、行政庁から公益認定を受けた法人のことです。社会福祉法人、税理士会、NPO法人といえばイメージしやすいでしょうか。公益法人として認定を受けると、「公益社団法人」「公益財団法人」という名称を名乗れるようになり、税制上の優遇措置を受けられます。

平成20年に「公益法人制度改革関連三法(一般社団・財団法人法、公益法人認定法、関係法律整備法)」が施行され、公益認定のガイドラインなどが新たに設けられました。

●一般法人と公益法人の違い

一般法人は、登記をすれば法人格が取得できる一般的な法人制度です。原則、自由に事業や組織を展開できます。

一方、公益法人になるには、一般法人が申請を行い、基準を満たしていると認められる必要があります。事業や組織の運営においても、行政庁の監督のもと、一定の要件を満たさなくてはなりません。つまり、税制上の優遇を受けられる代わりに、きつめの縛りがあるというわけです。

認定の基準は厳しめ

一般法人が公益法人になるためには、公益認定基準をクリアする必要があります。さまざまな条件が設けられていますので、主なものをみていきましょう。

・事業全体に占める「公益目的事業」の比率が50%以上と見込まれる

・公益目的事業を行える技術的能力や経理的基礎がある

・使途が決まっていない財産(有給財産)の額が年間の公益目的事業の費用以下である

・公益目的事業の収入が公益目的事業に必要な費用を超えない(収支相償)と見込まれる

・他団体の意思決定に影響するだけの株式を保有をしていない

・理事・監事の中に同じ親族などが3分の1以上いない

以上はほんの一部で、実にさまざまな細かい要件が定められています。

審査を行うのは、民間有識者で組織された第三者委員会です。申請を行った企業が要件を満たすか、さらに欠格事項はないかが審査され、内閣府・都道府県が認定をすると、ようやく公益法人となれます。

「公益目的事業」とは

公益目的事業の例として、特に23の事業内容を挙げています。この事業内容を公益23事業と呼びます。

【公益23事業の例】

・学術及び科学技術の振興

・高齢者の福祉の増進を目的とする事業

・事故又は災害の防止を目的とする事業

・地域社会の健全な発展を目的とする事業

・一般消費者の利益の擁護又は増進を目的とする事業 など

※総務省法令データ提供システム・公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律 別表(第二条関係)より抜粋

公益法人の要件を満たすためには、営む事業が公益23事業に含まれるだけでは不十分です。なぜなら、公益目的事業は「不特定多数の利益になる事業」でなければならないと定められているからです。

例え公益23事業であっても、実態に公益性がなければ公益目的事業として認められません。公益法人の申請を行う際には、事業の種類が公益事業であるかということに加え、事業の実態が企業や個人の利益を求めるものではないことを確認する必要があります。

公益法人になるメリット・デメリット

厳密に定められた基準をクリアして一般法人から公益法人になることができると、当然、いくつかのメリットがあります。

メリットの最たるものは「税制上の優遇」でしょう。主に以下のような優遇を受けることができます。

・公益目的事業の不課税

・公益法人への寄付金の税制の優遇

・公益事業のために支出した収益事業の利益はみなし寄付金扱い

・受取利子などからの源泉徴収なし

また、「公益社団法人」「公益財団法人」を名乗れることによる社会的信頼性の向上というメリットもあります。一定の信頼感を得られることで、さらに寄付金も募りやすくなるでしょう。

一方で少なからずデメリットもあります。厳格な公益認定基準のもと事業内容に制約を受けることがデメリットのひとつです。さらに行政庁の監督も厳しく、年度ごとに事業計画書・収支予算書・事業報告・決算書を提出しなければなりません。また、立入検査もあり、場合によっては認定が取り消されることもあります。経理や財務の処理も一般法人と比べると複雑です。

優遇もあるが認定基準や認定後の縛りは大きい

認定されて公益法人になるためにはさまざまな要件を満たす必要があり、優遇措置があるからといって安易に申請できるものではありません。デメリットも理解してそれでも公益法人として公益のための事業を展開したいと思われる方は、行政書士などの専門家に相談することで、認定へ向けた調整がスムーズになるでしょう。

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この記事の監修者

はじめまして、行政書士の遠山智弘(とおやま ともひろ)です。 行政書士は官公署(役所など)に提出する書類作成の代行をはじめ、契約書や遺言書作成のプロです。 建設業許可申請や...

プロのコメント

木村友紀 行政書士
  • 行政書士ユウ法務事務所
  • 木村友紀行政書士

先生がまとめられている通り、公益法人は登記が絡んできますが、その設立関係書類は行政書士が書類を作成することができます。 公益法人設立をお考えの方は、先生をはじめとして、お近くの行政書士にご相談されることをお勧めします。

奥田航平 行政書士
  • 奥田航平行政書士事務所
  • 奥田航平行政書士

本文にあります通り、公益法人となることにはメリットもデメリットもございます。そのため、ご自身の法人がなぜ公益法人を目指すのか明確にし、公益法人にふさわしい基盤をまずは整えなければなりませんし、申請には膨大な量の書類が必要となります。 行政書士は、公益法人を目指す法人の皆様からのご相談に応じ、申請に向けたコンサルティングや申請書類の作成の代理ができます。 公益法人への移行に関心がある、という段階からお話をお伺いできますので、ぜひお近くの行政書士にご相談下さい。

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