従業員の副業は許可すべき? 考えられる問題点と対策まとめ

人事労務管理

最近ではパソコンとインターネットを使って在宅ワークをしやすい環境が整ってきたことから、従業員の副業が増えてきたことが問題となっています。会社によっては従業員の副業を禁止しているところもあり、従業員の副業が発覚した場合の処分でトラブルになることもあります。従業員が副業をすることについての問題点と、トラブルを回避するための対策についてまとめました。

従業員が副業することの問題点

従業員を雇用している経営者には、従業員に副業をしてほしくないと思っている方がたくさんいます。会社の就業規則で、従業員の副業を禁止している場合もあります。従業員が副業をすると、どのような問題点があるのでしょうか。

まず、従業員が副業をすると本業以外の仕事に気をとられることになり、本業の業務効率が低下するという問題があげられます。仕事をしている時間に副業のことを考えることで、集中力もなくなると考えられます。そのほかにも、副業が風俗業など一般に信用力の低い職業だった場合に、取引先に副業が発覚することで会社の信用が落ちるというケースもあるでしょう。もし本業と副業が同じ業種であれば、会社のために取引をするのではなく自分の副業として取引をすることになったり、会社の仕事をしていて知った内部情報を利用して副業の取引を有利にすすめたりすることもあるかもしれません。さらに本業で知った内部情報を、副業に有利になるように第三者に提供するという危険もあります。

従業員は副業をすることができるのか

会社の従業員は、そもそも副業をすることができるのでしょうか。これについては、特に法律で禁止されていません。したがって、たとえ正社員で雇われている従業員であったとしても、法律上は副業をしてもいいといえます。副業は法律では禁止されていなくても、就業規則や雇用契約などの社内規定で禁止することはできます。社内規定に違反して副業をしていた場合に、罰則規定を作ることもできます。ただし、法律で副業が禁止されておらず、会社の従業員は就業時間以外の時間は、本来は自由な時間であるため、原則的には懲戒処分などの制裁はできないと考えられます。

従業員の副業を禁止できるのは、たとえば本業と競業関係にある副業をすることで会社に損害を与えたり、副業をすることで本業を遅刻したり、居眠りをするなど本業の業務効率が低下する場合などに限られます。

従業員の副業にはメリットもある

デメリットの多いようにみえる従業員の副業ですが、会社によっては副業を推奨しています。そのような会社は、従業員の副業が本業に役に立つと考えているようです。

従業員の副業のメリットとしてあげられるのは、従業員が本業以外のいろいろな仕事を経験することで、従業員の人材育成がはかれるということです。上場企業のような大きな会社で部署が多ければ、社内でさまざまな部署を経験することもできますが、中小企業ではそれが困難であるために、副業でさまざまな仕事を経験することを推奨している場合もあるようです。従業員が副業をすることで、副業先の会社や取引先と人脈を作ることができ、仕事上の相乗効果が期待できるというメリットもあります。副業をある程度認めている会社の従業員は、本業についても生き生きと仕事をしているという意見もあるそうです。そのほかにも、本業だけでは従業員の望む収入が確保できない場合、副業を容認することで従業員の生活が安定するというメリットもあげられます。

従業員の副業対策

従業員の副業には、デメリットのほかにメリットもあります。従業員が副業をすることは法律で禁止されているわけではないので、デメリットがあるからといって完全に副業を禁止することはできません。そこで、従業員の副業対策としては、デメリットを少なくしながら副業を容認してコントロールしていくという対策がおすすめです。

たとえば副業をするときには会社に届け出が必要なようにし、本業と競業関係にある副業を禁止する、秘密漏えいに対する遵守事項を作成する、どのような場合に懲戒処分になるのか具体的な基準を作るなど、副業に関する社内規定を整備すると良いでしょう。社内規定を整備するには、就業規則や雇用契約自体を見直す必要もありますので、法律的に問題がないかなど法律の専門家である弁護士にアドバイスを受けながら、対策を進めることをおすすめします。

従業員の副業対策をするときのポイント

従業員が副業をすること自体は、法律で禁止されているわけではないので完全に禁止することはできませんので、従業員が副業をするデメリットを少なくしていくことが対策となります。会社の信用にかかわる副業や競業関係にあたる副業を禁止する、秘密保持についての規則を作るなど社内規定を整備し、就業規則や雇用契約についても見直しを行うことをおすすめします。副業は、従業員の人材育成に役立つなどのメリットもありますので、法律の専門家である弁護士にアドバイスを受けながら対策をしていくとよいでしょう。

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プロのコメント

染木満則 税理士
  • 染木満則税理士事務所
  • 染木満則税理士

副業を行うことは会社の視点とそれを行う個人の視点で分ける必要があると思います。 従業員の方から見た場合、あくまでも「副業をやるかどうかは個人の判断」で、会社から許可を得られた時にどちらを選択するかは個人の問題といえます。 許可 = 副業が強制される のではないからです(もちろん、会社としてそうした人たちの就業状況を観察し、不都合があれば本人とよく相談する必要が出てきますけど)。 副業をする理由はいろいろあると思いますが 「本業とは違う意味でやってみたい仕事」 であれば一番良いですね。 個人が、自分の意思に基づいて副業をする場合、 「会社の本業にも生かせるもの」 「本業とコラボレーションが図れるようなもの」 なら、会社としてその活動を支援するのもあり という考え方で、従業員の方々と進めてみるのはいかがでしょうか?

太田広江 社会保険労務士
  • リバティマインド社労士事務所
  • 太田広江社会保険労務士

働き方改革の一環として、厚生労働省は、平成29年11月に、社員が副業や兼業をしやすくするため、「モデル就業規則」を見直す方針を固めました。 現在のモデル就業規則にある「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」を削除し、「労働者は勤務時間外において他の会社等の業務に従事することができる」との規定が新設されるようです。 副業解禁が解禁された場合 1)労働者が通勤もしくは移動途中で事故にあった場合、どちらの労災自己として処理されるのか 2)労働基準法の残業通算規定により、両方の会社で勤務した時間を合算して、残業代の支払いは、どうなるのか 3)長時間労働によって、従業員の健康状態が悪化していないか など 実際に、副業解禁を行う場合には、きちんとしたルールを就業規則に定めておく必要があります。

大藏浩幸 税理士
  • 大藏浩幸税理士事務所
  • 大藏浩幸税理士

給料が下がってきている昨今やはり副業の問題はおきますね? 副業であっても事業所得となるか雑所得となるかの疑問がわいてきます業としてなすのか?片手間に行っているのか?判断は微妙です 確定申告はいずれにしても必要です!

原田雄一朗 社会保険労務士
  • アールズ社会保険労務士事務所
  • 原田雄一朗社会保険労務士

過重労働を問題視する中で、副業の推進は整合性が取れていないと思いますが、長時間労働に耐えられる一部の方がいるのは事実です。そういった方に対する副業の許可は、残業削減による残業代カットの回避策として従業員にメリットがあるかもしれません。 副業の許可に関しては、就業規則だけでは不十分ですので、副業の内容や、それによる許可者に対する個別の対応等を考慮して、十分な制度運用が求められてきます。 トラブルになったら会社責任ですし、副業が本業を上回った場合に、有能な従業員の流出につながる可能性も考慮して、企業それぞれのあり方と、現状を見据えて取り組んでいかないと、思わぬダメージを追うことになるので、留意しましょう。

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この記事の監修者

【20年以上の豊富な経験と知識! そのお悩みに充実のサービスとサポートを】 弁護士もサービス業の1つと考え、 当たり前のことではありますが、ご依頼者様に簡潔にわかりや...