「年末調整」の時期到来!従業員を雇用したら忘れずに!!

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従業員を雇用すると、支払う給与から所得税を源泉徴収し、従業員に代わって納付する義務が発生します。月々の所得税は給与の金額によって概算で徴収されていますので、年末になると年間の税金を年末調整により確定しなければなりません。今回は、従業員の年末調整の基本について解説します。

年末調整に会社規模は関係ない

年末調整というとサラリーマン時代に会社にやってもらった経験があるという人も多いでしょう。ただ、個人事業主になると毎年自分自身で確定申告をするので、どのような制度か覚えていない人もいらっしゃるのではないでしょうか?自分一人で事業を運営している間は、それでもいいのですが、従業員を雇用した場合はそうも言っていられません。

年末調整は、法人か個人事業主かは関係なく、従業員がいれば必ず対応しなければなりません。かつて、サラリーマン時代に自分が会社にやってもらっていた年末調整業務を、今度は自分が従業員の分の年末調整業務をしなければいけないのです。

2017年の年末調整の時期はどんどん近づいてきています。どのような事をする必要があるのか、しっかりと確認をして準備をしていきましょう。

年末調整とはどのようなものか?

年末調整とは、従業員に対する毎月の給与から源泉徴収をした所得税の合計額と、その人が1年間に納めるべき所得税(年税額)との差額を精算する作業のことを言います。毎月、給与を支払う時に源泉徴収を行い、納期限までに税務署に対して所得税の納付を行っています。

しかし、所得税にはさまざまな控除項目があります。月々の源泉徴収額はあくまでも、家族構成や給与支給額によって、概算で計算したものです。住宅ローン控除、各種生命保険料控除や地震保険料控除などを考慮して計算した年税額は、多くの場合、毎月の源泉徴収額の合計と一致しません。最終的な従業員の年税額が、毎月源泉徴収している所得税額の合計額よりも少ない場合は従業員へ還付し、逆に年税額のほうが毎月源泉徴収している所得税額の合計額よりも多い場合は追加で不足額を源泉徴収します。

年末調整のスケジューリング

年末調整は、通常その年の最後の給与を支給するときに行われます。つまり、12月の給与支給日の時点で、従業員の年末調整を終わらせたうえで給与を支給しなければなりません。年末調整は基本的に以下の流れで手続きが行われます。

・年末調整の各種申告書のダウンロード開始(10月初旬)

・税務署より各種申告書やマニュアルの送付(10月下旬)

・申告書の従業員への配布・回収・内容確認(11月中旬から12月上旬または中旬)

・年税額の計算及び差額の還付及び徴収(12月の給与支給日:12月中旬から12月下旬)

・源泉徴収額の納付(翌年1月20日まで)

・給与支払報告書及び法定調書の提出(翌年1月31日まで)

年末調整に必要な各種申告書などの書類は、通常10月から国税庁のホームページなどでダウンロードができるようになります。また、11月下旬には所轄の税務署などで手に入れることができるようになります。なお、一度年末調整をすれば、翌年以降郵送されてくる場合もありますので、所轄の税務署に確認をするようにしましょう。

年末調整に必要な書類

従業員に記入してもらう必要がある書類は、従業員の生活状態や家族構成によって変わりますが、最大で3つの書類を記載して提出してもらう必要があります。

・給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

扶養控除の対象となる親族や配偶者について扶養控除を受けるための申告書。

・給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書

従業員が生命保険料や地震保険料などの支払をしている場合、その保険料控除を受けるための申告書。

各保険会社等から郵送される、保険料控除証明書の添付も必要です。

また、配偶者がパートなどをしており、給与収入が141万円未満である場合など、配偶者特別控除を受けるための申告書も兼ねています。

・給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書

初回は従業員の確定申告書が必要ですが、2回目以降は年末調整で住宅ローン控除を適用することができます。税務署から郵送された証明書と借入金の年末残高証明書を添付して提出してもらう必要があります。

年末調整の対象者

従業員のうち、年末調整をしなければならないのは主に次の従業員です。

・1年を通じて勤務している

・年の途中で雇用をして年末まで勤務している(前職がある人は、その分を含めて年末調整をします)

また、上記の人すべてが対象になるのではなく、年間の給与額が2,000万円を超える人や、災害などの被害によって所得税等の納税猶予又は還付を受けた人は対象から外れます。さらに、以下に該当する従業員は、そもそも対象にならないため気をつけるようにしましょう。

・月額表や日額表の乙欄または丙欄に該当する人

・年の途中で退職した人(死亡等を除く)

・海外勤務者などの非居住者

年末調整は忘れずに対応すること

年末調整業務自体は、そこまで難しいものではありません。ただ、スケジューリングなどはしっかりと行い、年末の給与に間に合うように、そして翌年の源泉所得税の納付期限などに遅れないように手続きを進めていかなければなりません。初めてで不安な場合は、専門家である税理士などに相談をしてみてはいかがでしょうか?

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この記事の監修者

都内数か所の税務署に勤務しておりました。 その間、税務の知識がないために、税金を多く納めなければならない納税者の方を数多く見てまいりました。 そこで、少しでもそのような納税者の...

プロのコメント

北島弘太郎 税理士
  • 税理士法人 北島綜合会計事務所
  • 北島弘太郎税理士

平成29年の年末調整のポイントとして税制改正で配偶者及び配偶者特別控除の適用要件が大きく改正された点が挙げられます。本改正の適用は平成30年以降となるので本年は影響がありません。但し、本改正に伴い「平成30年分 給与所得者の扶養控除等申告書」の様式など変更している点もありますので、来年1月からの源泉徴収に備え、ご不明な点などがございましたらお気軽にご相談ください。

川瀬博之 税理士
  • アスタ税理士法人
  • 川瀬博之税理士

年末調整の際、大量に発生する扶養控除等申告書等の紙も今では電子で残すことが可能になっています。 年末な何かと忙しい時期てはあると思いますので、 少しでも無駄な時間を省いて、余裕をもって忘年会を楽しまれたり、本業へ注力する時間を作ってみてはいかがでしょうか。

大藏浩幸 税理士
  • 大藏浩幸税理士事務所
  • 大藏浩幸税理士

年末調整はなかなかご自身で封筒を開けない事業主の方が大半です なのでこちらから電話やメールで封筒を開けて中の書類に記入を 依頼します 資料を集めてもらえば作業も早いのですが?なかなか? ぜひ皆さまご注意を!

渡部浩之 税理士
  • 渡部税理士事務所
  • 渡部浩之税理士

「年末調整って何ですか?」と良く質問されるので、簡単に説明すると「毎月天引されている源泉所得税は少しアバウトなので、最後に調整する必要があります」と説明しています。 その他、生命保険や住宅ローン等がある方は控除して還付金を受けることができます。 源泉所得税は、給与を支払った日の翌月10日(従業員が10人未満の場合は、半年ごとに7/10及び1/20の年2回)までに納めなければなりません。 正確に年末調整を行わないと、源泉所得税の納付期限に正確な税金を納めることができずペナルティーを課せられるケースもあるので、期限内にきちんと行う必要があります。

関戸実 税理士
  • 相模原税理士事務所
  • 関戸実税理士

今年は扶養控除申告書の様式が変わりました。ただ、基本的な書き方は同じです。扶養のモレには注意してください。

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