意外に見落としがち?個人事業主が覚えておきたい産休・育休の取得条件

社会保険手続
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従業員を雇用するようになると個人事業主は従業員のために様々な制度の活用を促していかなければなりません。特に産休や育休については、法律の改正なども合わせてさらに手厚くなっていきます。今回は、産休・育休の基礎知識について今一度確認していくようにしましょう。

産休と育休はいつから取得するのか

産休と育休、それぞれ似ているように感じるかもしれませんが、まったく違う休暇制度の上で成り立っています。産休は、母親が健康的に出産をするための休業期間であり、育児休業は無事に生まれた赤ちゃんを元気に育てるために取得する休業期間です。それぞれの取得できる休業期間について、簡単にご紹介します。

・産前産後休業の期間

出産予定日の6週間前と出産の翌日から8週間の間休業をすることができる。もし多胎妊娠の場合は、産前休業が6週間から14週間に延長されます。

・育児休業の期間

産前産後休業の翌日(産後57日目)から、子どもが1歳の誕生日を迎える前日までの期間休業をすることができます。万が一、保育所に入ることができないなどの状況になった場合は、最大で2歳になるまで延長することが可能です。また、父親が育児休業を取得する場合は、1歳2か月までに延長をすることが可能です。

育休と産休の義務と申し出

先ほどご紹介したように、産前産後休業と育児休業は、まったく違う休業制度として存在しています。そのため、それぞれが管轄する法律も違っているのです。産前産後休業は、労働基準法第65条で定められており、働く女性の母体保護のために存在しています。そのため、産前休暇は出産を控えた女性本人が取得を望む場合は取得させることができます。しかし、産後休暇については女性が望む、望まないにかかわらず必ず取得しなければならないのです。医師の診断のもとで、その期間を短くすることも可能ですが、最低でも産後6週間は必ず休業させなければならないということを憶えておきましょう。

一方で、育児休業は原則的に育児休業を取得する場合、従業員の申し出によって取得することができます。申し出があることで初めて法的に事業主が承諾をしなければならなくなります。

産休と育休中の社会保険や給与は?

産休中や育休中というのは、事業主が給与を支払うかどうかについての法律の定めはありません。あくまでも事業主の方針にゆだねられているため、必ずしも産休中や育休中の従業員に給与を支払わなくてもかまいません。

事業主が健康保険に加入していて、従業員も加入している場合、一定の要件によって産休中は健康保険から出産育児一時金や出産手当金など一定の手当てを支給してもらうことができます。

また、育児休業中は、健康保険ではなく雇用保険から育児休業給付金が支給されます。育児休業開始日前2年間に、雇用保険の被保険者期間(1か月の勤務日が11日以上)が12か月以上ある場合、原則として、子どもが1歳になるまで受けることができます。ちなみに、父親が育児休業を同時または交代で取得した場合、育児休業が1歳2か月まで延長されます。その期間についても、それぞれ育児休業給付金を受け取ることが可能です。

産休育休中にもらえるお金

産休中や育休中にもらうことができる手当としては、いくらくらいもらうことができるのか、従業員に確認されることがありますのでしっかり把握しておきましょう。

出産育児一時金は、赤ちゃんひとりの出産につき42万円(産科医療補償制度対象外出産の場合40万4千円)が支給されます。もし、双子や三つ子が生まれた場合は、人数に応じて支給されます。また、産前産後休業中の手当てである、出産手当金では、産前産後休業中の給与が支給されない場合に受けることができる手当金です。社会保険の標準報酬日額の3分の2を休業日数分の支給を受けることができます。もし、産前産後休業中に給与を受けていたとしても、出産手当金よりも少ない場合は、その差額が支給となります。そして、育児休業期間中は、育児休業開始時の賃金日額の半額(育児休業開始日から6か月間は賃金日額の67%)が支給されます、ただし、毎月支給されるのではなく、雇用保険から2か月ごとに支給されます。

出産育児一時金、出産手当金と育児休業給付金については、会社からそれぞれ手続きをしないといけません。従業員から状況を確認して手続きをしていきましょう。

育休は延長されることがある

先ほどご紹介したように、育児休業は原則的に最大で子どもが1歳になるまで取得することができます。また、父親と協力することで1歳2か月まで取得することができますが、状況によってはさらに延長をすることが可能です。職場に復帰をしたいけれども、保育園に入園することができない状態になると、保育園に入園するめどが立つまで最長で子どもが2歳になるときまで育児休業期間を延長することが可能です。2017年9月30日までは、育児休業期間の延長は最大で子どもが1歳半になるまでの間だけでした。しかし、2017年10月1日付で改正育児・介護休業法が施行され、延長期間が拡大されました。事業主としては、非常に厳しいことかもしれませんが、育児・介護休業規程や申出書などの社内様式を整備して、従業員からの申し出等に対応できるようにしていきましょう。

産休・育休は従業員が持つ当然の権利です

産前産後休業や育児休業は、従業員が持っている当然の権利です。また、産後休暇については、労働基準法で定められている義務です。従業員が長期間休んでしまうと、事業としては非常に厳しいかもしれません。しかし、従業員のためにもこれらの休暇制度についてはしっかりと整備をしていきましょう。不安がある場合は、専門家である社会保険労務士に相談をしてみてはいかがでしょうか?

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プロのコメント

西濱絢 税理士
  • 西濱絢公認会計士・税理士事務所
  • 西濱絢税理士

個人事業主であっても、従業員を一人でも雇うと様々な手続きが必要になります。特に深く考えず人手不足だからといって従業員を雇用し、適切な手続きを経ずにいると、トラブルに発展してしまいます。ご自身で調べることも大切ですが、労働関係の法制度は頻繁に改正されますので、専門家に相談することをおすすめします。 まずは税理士に相談し、必要に応じて税理士より社労士さんを紹介してもらうのもよいと思います。

安部浩一 行政書士
  • やまと合同法務事務所 (家族信託Ⓡ、相続遺言、資金調達、各福祉施設の開業運営支援、事業承継M&A)
  • 安部浩一行政書士

私の事務所には、併設の社会保険労務士事務所があり、個人事業所でも、規程などを整備して、従業員の育児や介護休日取得の推進し、その後の職場復帰取り組む場合や代替え要員の確保にも別途、助成金取得のお手伝いをして、活用出来ますし、ご本人には、給付金制度もあり、まだ皆さんが、周知されていないことが、多いので、何時でもご相談くださいね

大藏浩幸 税理士
  • 大藏浩幸税理士事務所
  • 大藏浩幸税理士

個人事業主で労働問題にかかわるのは非常にむつかしいですよね 税理士に相談されることが多いのですがやはり労務士さんか弁護士さんをご紹介していますね!

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この記事の監修者

雇用関係の助成金を使った経営プランのご提案をいたします。 雇用関係に関してお悩みの社長様、是非、ご相談ください。 ただし、中小企業庁、市町村関係の創業、経営改善支援、ものづくり...