個人事業主で共同経営を行う場合の注意点とは?

節税対策

個人事業主で共同経営を行う場合には、どんなことが起こりえるのでしょうか。共同経営を行うことで、事業のスピードは加速するでしょう。しかし、2人の方向性が食い違い、上手くいかなくなる可能性もあります。個人事業主で共同経営を行う場合の注意点について、確認してみましょう。

経理的にはどうなる?

共同経営とは、事業を存続および発展させるために、2名以上の人が、対等の立場で意思決定していくことになります。

例えば、AさんとBさんと2人で共同で飲食店を経営するとしましょう。

この時、それぞれが個人事業主なら、AさんとBさんの2人はそれぞれが確定申告を行うことになります。なぜなら、個人事業主の場合、2人の事業を1つにして申告することはできないからです。

仮に、飲食店の売り上げが3,000万円とします。この場合、AさんはBさんのそれぞれの売上高を2つに分けて、それぞれで申告するわけにはいきません。なぜなら、売上高を2つに分ける経理上のルールは存在しないからです。

また、経費に関しても、10万円の備品を購入しても、どちらの経費になるのかは、判断ができません。

個人事業主である限りは2人をオーナーとすることはできないのです。よって、共同経営で2人のオーナーがいる場合の経理処理は、実態としては「不可能」ということになります。

共同経営のメリット

1つの事業を2人以上で行う共同経営は、開業の不安や資金難を解消できることがメリットであるといえます。

具体的には、店舗の物件の取得費用、内装設備や備品購入費などの開業資金や毎月の運転資金も半分ずつ負担し、売り上げが出た時の利益も半分ずつにすることで事業を開始できます。

1人で仕事をこなすには限界がありますが、2人で仕事をこなすと倍のスピードで行うことができます。2人で協力しあって仕事をすることで生産性が向上し、同じビジョンを持つことで成功へのスピードも早まります。

また、接客や運営、従業員マネジメントなど様々なことに対して共同経営の場合は仕事を分担できます。つまり、共同経営を行うことで仕事に対する生産や士気が向上し、2人の能力が相乗効果を生み出すことになります。

共同経営のデメリット

開店から1年も経過すると店の経営状況は変化してきます。

店の口座管理で、仕入や備品の購入、水道光熱費、通信費の支払いの負担分をお互いに精算するのが厄介になってきます。そのため、次第にどちらかの負担が増えてきます。

そして、経営が軌道に乗ると、目指す方向性が異なり、給与や仕事量とのバランスで不公平さを感じるようになるでしょう。共同経営者のどちらかが独立したいとなり、当初の開業資金の負担分の精算などで問題になり、2人が揉めるようになります。最終的には、共同経営を破棄して、店の廃業に繋がることになりかねないです。

よって、共同経営は時間の経過に伴い、お互いの主張が食い違いやトラブルが起こり、単独で意思決定できないために経営のスピードが落ちるのがデメリットといえます。また、金融機関から融資を受けようとする際も、このような点をリスクと捉えられ、融資が受けづらくなることも考えられます。

注意点と対策

AさんとBさんが共同経営を行う場合、経理処理をスムーズするには、AさんがBさんを雇う形にするという方法があります。

この方法では売り上げが3,000万円であれば、Aさんの売り上げは3,000万円とします。経費が300万円かかるとした場合、Aさんの経費とします。そして、BさんはAさんから給与を受け取ることにします。

結果として、Aさんが一身に事業の責任を負う形になります。仮に事業が上手くいかない場合、Aさんだけが不利益をこうむることになります。一方で、Bさんは従業員の扱いで、雇用保険の手続きをしていれば、Bさんは失業保険だってもらえます。つまり、AさんとBさんでは、リスクが異なります。

よって、共同経営を行う場合の注意点として、リスクも増えるということを認識して、事前の準備はより計画的に行う必要があります。そのためには、お互いの取り決めやルール作りを行うことがポイントとなります。

具体的な取り決めやルールとしては以下のものが挙げられます。

・出資金額と出資割合

・職務分掌

・責任と権限

・報酬の決め方

・利益分配の仕方

・経理のルール

・報告事項や意見調整のルール

・契約解除の規定・手続き

問題が起きた際にはどのように対処して解決したら良いのかを合意して、契約書としてまとめておくとリスクは軽減されます。

円滑な経営のために、ルールは契約書にまとめておく。

個人事業主で共同経営を行うことの弊害は多いです。確定申告もそれぞれする必要がある上、経理処理も複雑になってしまうので、できるなら避けたほうがよいでしょう。どうしても、共同経営を行いたい場合は、お互いのルールを契約書にまとめておくべきでしょう。

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プロのコメント

久川秀則 税理士
  • 原・久川会計事務所(税理士法人)平塚橋事務所
  • 久川秀則税理士

個人事業の共同経営、なかなか簡単ではありません。 会社であれば出資持分であったり、最終的な利益への持分が明確なのですが、共同事業では法律的な枠組みがないので、契約で決める必要が本来ありますが、友達同士でなんとなくやってしまった場合に、利益をどのように配分するか、揉めることがないとは言い切れません。 私も、会社にして株を持って役員になることをおすすめしますが、もう一つ、共同事業とはせずに、お互いに独立した事業者という立場で、ひとつ屋根の下で家族にまでならずに、他人のままでビジネスする、そういう建付けの中では、お互いに本来の取り分を一つ一つ見積もりして合意していきますので、揉める可能性は低くなると思います。 あとはどちらかが社長になり、どちらかはスタッフになるという形も、場合によってはいい形なのかもしれません。 事業を共同で行うことは決して簡単ではないので、どこかの時点できちんと形を整理することをおすすめします。

西濱絢 税理士
  • 西濱絢公認会計士・税理士事務所
  • 西濱絢税理士

法人化せず、個人事業のまま共同経営することは非常に難しいですね。事業立上時は色々と不安も多く、気心しれた友人と共同経営するケースも多々あります。しかし、特に深く考えず『流れで何となく』共同経営を始めると様々な問題に直面し、結局仲間割れするケースを私も何件もみてきています。 法人化しない場合は、一方を経営者、もう一方を従業員として雇用する方が上手くいくでしょう。 ともに経営者という立場を望む場合は、法人化して共同代表者となることをおすすめします。 いずれにしても、きちんとルールを決め、文書化することが必要です。

大藏浩幸 税理士
  • 大藏浩幸税理士事務所
  • 大藏浩幸税理士

はい共同経営は厳しいと思います 数多くの個人法人を関与してきましたが指示をだす代表者はひとりでいい!意見は必ず食い違います!当初はよくてもズレが出てきます。法人で代表を二人にした方がまだましです 契約書は絶対に必要でしょう!

渡部浩之 税理士
  • 渡部税理士事務所
  • 渡部浩之税理士

共同経営を行いたい方は、私は法人化をおすすめしています。法人化すれば、税務署への申告は法人格のみです! 共同代表としてお二人に役員報酬を払えば、個人の確定申告をせずに、年末調整で完結します! 「誰が何をやるのか?」もちろん、ルールはきちんと決めて頂くのは大前提です。

西田真由美 税理士

共同経営を行うための注意点といっても、ケースバイケースなので一概には言えないと思います。 確かに、弊事務所でも、個人事業で共同経営をされている方や、その後各々法人成りされたり、共同で法人成りされたりしたケースを多数サポートさせていただきました。 途中で空中分解したり、各自で別々に事業をされることになったり、、、やはり、寂しい結果も拝見してきました。 ただ、スムーズにかつ事業を拡大させておられる方々は、常に意思確認、情報共有ができる方々だと思います。 共同経営を継続する秘訣は、信頼関係を持ち続けられるパートナーでお互いが存在できるか?しかありません。 下手な遠慮は、信頼関係を損ねます。 相手に任せっきりでもそうです。 常に、お互いに意思確認をしながらやっていけるパートナーでないと、難しいでしょうね。

庄田和樹 司法書士
  • 神楽坂法務合同事務所
  • 庄田和樹司法書士

軌道に乗るまでは個人事業でもかまわないと思います。ある程度軌道に乗ったところで、合同会社または株式会社を検討されてはいかがでしょうか。合同会社は株式会社よりも配当などについて柔軟なため小規模な事業には向いています。いずれにせよ、最初の決まり事を覚書などにして残しておくことは大切です。

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この記事の監修者

【中小企業から宗教法人、スポーツ選手まで 海外進出のサポートも充実!】 みなさんこんにちは。代表の今野真輔(こんの しんすけ)です。 税理士として開業したきっかけは、税...